銀杏のなる木をしっていますか?

そう、秋になると綺麗に黄金色になるあのイチョウです。

 

秋のイチョウ並木の独特な匂いは、銀杏の匂い。

今回はそんな銀杏についてのお話です。

イチョウの特徴

イチョウは裸子植物門、イチョウ鋼イチョウ目イチョウ科イチョウ属に分類される中国原産の裸子植物です。

街路樹など全国的に普通に見かける樹木ですが、分類上は奇異な位置にあり、特殊な針葉樹になります。

世界古来の樹木の一つで、イチョウ科の植物は中生代から新生代にかけて世界的に繁栄し、世界各地で化石が出土しています。

イチョウ科の植物は氷河期にはほぼ絶滅し、イチョウは唯一現存する種になり、生きている化石と言われ絶滅危惧種に指定されています。

イチョウの生態と利用

イチョウは樹高が20~30㎝ほどに生長します。

葉が独特な扇形をしており、葉脈は原始な平行脈で二股に分岐していて、付け根から先端まで伸びます。

 

基本的には葉の中央は浅く割れますが、栽培品種ではそうでないものもあります。

樹木としてはとても長寿で幹が10mを超えるような大木が各地に点在しています。

 

木材としてのイチョウは油分を多く含み、水はけが良く材料も均一で加工性に優れているので、ゆがみが出にくい特質を持ちます。

カウンターの天板や構造材、造作材、建具、家具、水回りなど広範囲に利用されていて、碁盤や将棋盤にも適材とされています。

特にイチョウ材のまな板は高級とされています。

 

また、火に強い性質がある為、江戸時代には火除け地に多く植えられていました。

現在では黄葉時の美しさと剪定に強いという特性から街路樹として利用されています。

特に東京の明治神宮外苑屋大阪御堂筋の街路樹が銀杏並木として知られています。

イチョウの実が銀杏

伊藤は雌雄異株で、その違いは生殖器官あるかないかで見分けることが出来ます。

風媒花で1㎞程離れていても受粉が可能と言われ、受粉の方法はちょっと変わっています。

 

受粉された花粉は雄花の胚珠端部の花粉質というところで数か月保持され、その間、胚珠は直径2㎝程度に肥大して花粉内では吸う子の精子が作られます。

9~10月頃に精子が放出され、花粉質から造卵器に泳いで入り、ここで受粉が完了します。

 

11月頃に種子に熟成し、これが銀杏となり、カルボン酸類独特の臭気を発するようになるのです。

街路樹などに利用されるときは身のならない雄株の実を選んで植樹されることもあるようです。

銀杏の中毒性について

銀杏はギンコールさんという成分を含んでいて、素手で触ると漆などのようにかぶれて皮膚炎を引き起こす場合があります。

また、種の中身には脂質、糖質、タンパク質、ビタミン、鉄分、カリウムなどを多く含んでいて、滋養強壮、強精効果の他、膀胱や肺を温める効果があると言われる一方、ビタミンB6の類縁体成分であるMPNという成分がGABAの生合成を阻害して痙攣などを引き起こす可能性があるともされています。

 

太平洋戦争の前後に中毒報告が多く、中には大量に摂取したために死に至ったという例もあるほどです。

現在でも中毒を起こす人がいて、その多くは5歳未満の小児だそうで、報告されている全患者の7割以上が10歳未満の子供です。

 

これは大人の場合は肝臓に銀杏の毒素を解毒する酵素があるのに対し、小児の場合は解毒能力が未発達なためと考えられています。

痙攣以外にも胃腸障害、頭痛、下痢、吐き気などの被害も報告されています。

中毒が起こる目安

中毒が起こる目安としては小児が7粒以上、成人が40粒以上とされていますが、小児は個人差があるので、注意が必要です。

中毒が出てしまった場合は速やかに病院に行って銀杏を食べたことを伝える必要があります。

(ライター ナオ)