山茶花の花を見たことがあるだろうか。

そして、ツバキとの区別はしっかりついていますか?

山茶花の特徴

山茶花はツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹です。

漢字の山茶は中国語でツバキ類一般を指す言葉です。

秋の終わりから冬にかけての寒い時期に花を咲かせます。

野生の個体の花の色は部分的に淡い桃色が混じった白色ですが、園芸品種の花色は赤色や白色、ピンクなど様々。

日本では山口県、四国南部から九州中南部、南西諸島など。日本国外では台湾、中国、インドネシアなどに分布しています。

ツバキ科の植物は熱帯から亜熱帯に自生していて、山茶花の北限は日本になります。

山茶花の栽培品種

山茶花の栽培品種は3つの群に分けることが出来、サザンカ群以外はツバキとの交雑です。

山茶花の含まれるサザンカ群、他にはカンツバキ群、ハルサザンカ群があります。

山茶花の栽培

山茶花の植え付け時期は3~5月、9~10月です。

タネか挿し木で増やします。種は10月中旬以降に採取し、そのまますぐに蒔くか、保存しておいて3月中旬頃に蒔きます。

 

タネを蒔いた場合は地植えの場合は花が咲くまで5~7年、鉢植えの場合でも3~4年かかります。

挿し木の場合はその年に伸びた新しい枝を切り取って赤玉土や鹿沼土にさしますが、花が咲くようになるまではやはり3~4年かかります。

 

山茶花は生け垣などによく利用されていることから分かるように日当たりのよい温かい場所でよく育ちます。

やせ地や乾燥する場所ではすぐに蕾が落ちてしまって花が咲きませんし、半日陰のような場所でも花付きが悪くなります。

 

庭植えする場合は東北地方より南の方が適しています。

ほぼ放任状態でもある程度樹形がまとまり、花も咲きます。

 

新しく伸びた枝の先端に花芽をつける性質があるので、徐々に高い位置に花がつくようになります。

コンパクトにまとめたい場合は新芽がでる3から4月頃に枝の切り戻しを行います。

 

水やりは地植えの場合はほとんど必要ありません。鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりあげるようにしましょう。

肥料が足りないと下の方の葉が枯れやすいので、枝も十分に育たずに花付きに影響が出ますので、春に芽が出るくらいに油粕と骨粉や化成肥料を与えます。

かかりやすい病害虫はもち病で5月頃に発生します。

 

葉が焼いた餅のように膨れ、白っぽいカビが生えて枯れていきます。

一度に大量発生する病気では無いので被害が少なければ病気にかかった葉を取り除くことで対処できます。

 

春にはチャドクガの幼虫が大量に発生し、葉を食い荒らして根こそぎなくなってしまうことがあります。

見つけた時は薬剤を散布して駆除しますが、触れると毒毛によって皮膚がピリピリと傷みます。

剪定をして風通しを良くしておくことが必要です。

 

また、カイガラムシにも注意しなければなりません。

カイガラムシは植物の栄養を吸うだけでなく、排泄物によって光合成を阻害するスス病を併発させる恐れもあるので、見つけしだいこすり落とすようにします。

山茶花の花言葉

山茶花の花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」「理想の恋」などがあります。

色別の花言葉としては赤が「謙譲」、「あなたがもっとも美しい」、白が「愛嬌」、「あなたは私の愛を退ける」、ピンクは「永遠の愛」です。

「困難に打ち克つ」や「ひたむき」は山茶花の特徴として寒さが強まる過酷な季節にも花が咲いているところからきたと考えられます。

山茶花とツバキの違い

山茶花とツバキは同じツバキ科の植物で、花などもよく似ていると言われますが、少しずつ違いがあります。

まず、花の時期が山茶花は10~2月であるのに対し、ツバキは12~4月です。

 

また、花の散り方も違います。山茶花は花が大きく完全に開いて、散るときには花びらが一枚ずつ散っていきますが、ツバキは花がカップ状に咲き、完全には開ききらず、散るときにも花ごとポタっと落ちます。

葉の様子も違います。山茶花の葉はギザギザして毛が生えているのに対して、ツバキはギザギザも毛もありません。

(ライター ナオ)