ハイビスカスはアオイ目アオイ科フヨウ属に分類される花で、学名はヒビスカスと言います。

日本ではその中でも熱帯および亜熱帯性のいくつかの種が特にハイビスカスと呼ばれていて、南国のイメージをまとった植物として広く親しまれています。

名前の由来はエジプトの美を司る「ビヒス」の名前にちなんでつけられ、ビヒスのように美しい花という意味を持っています。

ハイビスカスの原産地

ハイビスカスの原産地はハワイやマスカレン諸島です。

ハイビスカスの髪飾りやレイは有名で、観光客をもてなすときなどに使われています。

また、現地の人も耳の脇にハイビスカスの花飾りをしていて、未婚者は右、既婚者は左と決まっているのだそうです。

ハイビスカスの種類

もともとが雑種植物なので花の色や形状など様々です。

私たちがイメージするハイビスカスはハワイアンハイビスカスと呼ばれる園芸種です。

 

ハイビスカスの原種はブッソウゲやフウリンブッソウゲ、ヒビスクス・アーノティアヌス、ヒビスクス・コキオなどと呼ばれる花です。

園芸種は5000種類以上あると言われていて、大きくオールドタイプ、コーラルタイプ、ハワイアンタイプに分けることが出来ます。

オールドタイプは交配された年代が古く、特徴としては生育が良く、花の付きが良いということ。

色も赤、ピンク、黄色、クリー無色等シンプルなものが多く、模様があったり色が混ざっていたりしない分、派手さはありませんが、すっきりとした花を咲かせます。

 

レモンイエロー、カルメンイエロー、サニー、ベインテッドレディなどがこのオールドタイプで、日本で一番よくみられる園芸種です。

コーラルタイプはフウリンブッソウゲをベースにして交配された品種の総称です。

 

細く垂れた枝の先にたくさんの小さな花が咲きます。

色は一般的に赤が多く、沖縄にはアーチェリーやピンクバタフライなどの珍しいタイプも咲いています。

 

寒さに弱く、温帯地域では見かける機会は少ないですが、レッドフラミンゴ、オレンジフラミンゴ、コーラルレッド、アイスピンクなどが代表的な品種です。

ハワイアンタイプのハイビスカスはその名前の通り、ハワイで何度も交配を繰り返して誕生した品種の総称で、園芸種の中でも一番多いのがハワイアンタイプです。

このタイプは花が大きく、枝は太くて豪華、色彩豊かな点が特徴的。

ハイビスカスの育て方

ハイビスカスを育てるうえでのポイントは温度と水です。

10~25℃で日当たりの良い環境を好み、たっぷりと水を与えると早く生長します。

 

特に根の生長は早く、夏場は水を欲しがるので、水不足には注意しましょう。

苗と種から育てることが出来ます。

 

園芸店などでは4~5月になると鉢植えとして販売されていますが、気候が温かくなった5月に購入するのがおすすめ。

土は水はけのよい土質を選びましょう。

 

赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜ込んだ土などがオススメです。

土が乾いたら、たっぷり水やりをします。

 

ハイビスカスの花は咲いたらその日のうちにしぼんでしまいます。

花が咲くのは5~10月の生育期間で、しぼんでしまった花はすぐに摘み取ってしまうと、翌年の花へ養分をまわせ、元気な花を咲かせやすくなります。

 

種が欲しい時だけ、いくつか咲き終えた花を残しておくと良いでしょう。

植え替えは4月か10月頃に行います。

 

春にすると少し開花が遅くなりますが、植え替えの適否がよくわかります。

秋は落葉してしまうので、根張りがきちんとできているか確かめるのが難しくなります。

ハイビスカスの越冬

ハイビスカスは最低気温が5℃、ハワイアン系の場合は10℃を下回ると枯れてしまいます。

地植えの場合は10月いっぱいで鉢上げし、鉢植えの場合は室内に取り込みます。

 

地植えの場合は、冬の間だけ鉢に移して室内で管理し、春になったら再び屋外で栽培します。

鉢上げする時には腐葉土などの有機物を混ぜると冬の間に立ち枯れしてしまうので注意しましょう。

(ライター ナオ)