カランコエは、ベンケイソウ科・リュウキュウベンケイ属(カランコエ属)の植物です。
手間がかからない多肉植物なので園芸で人気です。
ここではそんなカランコエと、その摘心について紹介します。
カランコエの生態
カランコエは、草丈15~80センチの低木で、多肉質の葉を持つ多年草です。
また短日植物でもあります。花弁は5枚で、やや反り返っていて、星のかたちに開花します。
カランコエの原産地は、マダガスカル島、南アフリカ、東アフリカ、ソコトラ島です。インド、マレー半島、中国などにも分布しています。
カランコエは矮性種、高性種、斑入り種などバラエティーに富んでいて、花色も、白、黄色、ピンク、オレンジなどと豊富です。
カランコエの切り戻し剪定
カランコエの摘心の前に、まずは切り戻し剪定について説明します。
切り戻し剪定とは、根元から10センチほどの位置、葉の付け根の2~3ミリのところで枝を切り落とすことです。
すこし心配になる位置での剪定ですが、カランコエは生命力が強いので、1か月もすればたくさんの新芽をつけます。
今まで以上にしっかりとした茎や葉になるので、思い切って剪定してください。
カランコエの摘心
摘心とは、摘芯とも書く、剪定の一種です。
新芽・脇芽を摘み取ることで、株全体のかたちを整えたり、より大きな花を咲かせたり、より多くの花を咲かせたりするようにうながします。
カランコエの摘心は、大きな花を咲かせるというより、たくさんの花を咲かせるためにおこないます。新芽を摘み取って、脇芽を増やすためというわけです。
まずは、夏の生長期に葉の先端にできた新芽を1~2センチほど摘み取ります。
摘み取る位置は、すぐ下の葉の付け根から2~3ミリぐらいです。
指で摘み取ってもいいですし、はさみで切り取っても大丈夫です。
摘心した位置――葉の付け根の位置――から脇芽が出てきて、それぞれにつぼみがつきます。そのことによって花の数が増えるわけです。
ちなみに摘心をすることによって、カランコエは上への生長するのではなく、横に広がるようになります。草丈を調節したい場合にも有効です。
さらにいうと、カランコエは次から次へと花を咲かせます。花の盛りを過ぎると、枯れ始めた花と、咲いている花が入り混じる状態になってしまうのです。
というわけで、カランコエは、ひとつの茎に咲く花の3~4割が、枯れた花になったら付け根から切り取ります。
そうすることで、葉の過密や下のほうの葉が腐ることを防げます。
カランコエの季節
カランコエは、一般には鉢植えで育て、一年を通して日の当たる場所で管理します。
6月から10月は、雨の当たらない戸外で管理し、11月から5月は、室内の日当たりのよい場所で管理します。
日が短くなると花芽をつける性質があるので、秋以降は、夜間照明がある場所に置くと花が咲かないことがあります。
カランコエの水やりは、6月から8月と、12月から4月は乾かし気味に管理します。
5月と9月から11月は、用土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
植えつけと植え替えは、5月から6月と、9月が適期です。
2年に1回ぐらい切り戻しと同時に植え替えます。
切り戻し剪定に適している時期は年に2回あります。
3月~4月の生長が始まる前の春先と、9月の花が終わって冬の花の時期の前です。
生長が激しい時期や花が咲いているときは避けます。
カランコエのその他雑学
一般にカランコエとして親しまれている植物は、厳密には「カランコエ・ブロスフェルディアナ」という園芸品種と、釣鐘形花の「カランコエ・ウェンディー」、そして、ウサギの耳に似た葉の「ツキトジ(月兎耳)」などです。
カランコエのまとめ
以上、カランコエについていかがでしたか?
カランコエの和名は「ベニベンケイ(紅弁慶)」。
乾燥に強く、茎を土に挿すだけで簡単に増えていくたくましさから、弁慶の名を冠したといわれています。
いわれてみれば、なんだか強そうな花に見えてきますよね。
(ライター ジュン)