パピルスという植物をしっていますか?そう、紙の原料になるあの植物!
今回は私たちの生活にもとても関係の深いパピルスについて詳しくお話していきます。
パピルスの特徴
パピルスはカヤツリグサ科に分類される植物の1種です。
この植物から作られる古代エジプトで使用された文字の筆記媒体のことをパピルス紙と言います。
パピルスは別名をカミガヤツリといい、中央アフリカのナイル源流付近の原産です。
現在でもコンゴ、ウガンダ、スーダン、エチオピア、シチリア島、シリア地方のそれぞれ一部地域にて自生が確認されています。
熱帯から亜熱帯の地域に生育していて、乾燥した砂漠や湿度の高い熱帯雨林まで広く適応しています。
アフリカ奥地の湖や河畔の浅い緩やかな流れの中に繁茂して4~5mほどの高さになります。
茎の断面は三角形で、最大6㎝程の太さになり、通常塊茎によって増殖します。
先端に線状の花軸を放射線状に100~200本伸ばした花穂をつけます。
晩夏に緑がかった茶色の花房をつけてナッツのような形をした果実も形成します。
パピルスと人間のかかわり
エジプトにナイル川から流れてきたパピルスが自生していたことがきっかけで、人手をかけて栽培し、記録のためのパピルス紙を作っていました。
また、履物や生活雑貨、網、船の帆等も作っており、若い葉や茎葉糖分や油分を豊富に含んでいたので、生や加熱などをして食していたともいわれ、根も食用になっていたようです。
現在、エジプトでは観賞用としてパピルスが栽培されています。
それとは別に、植物自体は土壌中の窒素やリンを球種する能力が高く、富栄養化したため池等の水質の浄化に利用されることもあります。
パピルスの種類
カミガヤツリモットムやシペラスアルボストリアツス、シペラス・アルボストリアツス・バリエガツスなどの種類があります。
シュロガヤツリはマダガスカル原産で草丈は1.2m、茎の先端から細長い葉っぱが傘の骨のように放射状に広がり、その姿からアンブレラ・プランツと呼ばれることもあります。園芸品種のコシュロガヤツリは草丈が30㎝に満たず、コンパクトな鉢植えとして人気があります。
パピルスの栽培方法
パピルスは日当たりの良い場所で栽培します。
日本で育てた場合でも2.5mほどの高さにまで成長することもあり、あまりに伸びすぎる場合には切り戻しが必要です。
高温を好む植物ですが、耐寒性もあり、最低気温が5℃以上あれば簡単に越冬します。
水やりを少なくして乾かし気味に育てると0℃位まで耐え、霜の当たらないような場所なら外でも冬越しすることが出来ます。
室内に取り込む場合は出来るだけ浸らりの良い場所を選んで置くようにしましょう。
生育期には常に湿っている状態にし、毎日水を与えます。
鉢の底に受け皿を敷いて、その中に水を常に溜めておくのも良いでしょう。
あまり大きく育てたくない場合は土が乾いてもすぐに水をやらず、3日ほど経ってから与えるようにすると草丈が高くならずに低く抑えられます。
肥料はあまり必要ありません。生育期に1回に観葉植物用の置き肥を株の大きさに合わせて適宜与えます。
草丈を低く抑えたい場合は肥料は全く必要ありません。
植え替えの適期は5~6月で、一回り大きな鉢に植え替える蚊大きくなった株は株分けをします。
株分けや挿し木で増やすことが出来、株分けは植え替えと同時に行います。
挿し木も比較的簡単にでき、水の入ったコップに挿しておくだけで根が出ます。
茎の先端を5~6センチの長さに切って、水分の蒸発を抑えるためにすべての葉を半分くらいの長さに切り詰めて川砂を入れた鉢に葉の付け根までしっかりとさします。
夏の高温期なら1か月くらいで根が出てきます。
(ライター ナオ)