健康食品としてのイメージが強いアマランサス。

一度はその種を見たことがある人も多いのではないでしょうか?

でも、一体種になる前の花はどんなものなのでしょう。

アマランサスの特徴

アマランサスはヒユ科ヒユ属に分類される植物の総称です。

ギリシャ語の花がしおれることがない、という意味のアマラントスが語源になっています。

原産はメキシコの高地やグアテマラの矢や低地、ペルーの3か所。

キリスト教の布教を目指したスペイン人によって邪教の象徴として絶滅寸前に追いやられ、約400年間幻の作物になっていたと言われています。

 

ヨーロッパ人によって初めは観賞用として導入されましたが、それがのちにインドからアジアに広く伝わり、野菜や食用種子として生産されるようになりました。

現在はヒマラヤ山脈周辺の国々が中心となってサイビアされていますが、最近は起源地である中南米でも再評価されて栽培が増加しつつあり、野菜用や観賞用として流通しています。

日本でのアマランサス

日本ではもともと別種類のヒユが野菜として畑で栽培されていました。

アマランサスは戦後、3種類が導入され、現在では更にいくつかの品種が増えて、東北地方や中部地方などの冷涼な地域で稀に栽培されています。

 

近年の健康ブームで濃赤色の葉の品種にはベタシアニンという抗酸化力の強いポリフェノールを含んでいて、機能性食品として注目されています。

種子は白米に他の雑穀と一緒にブレンドして食べたり、パスタにまぶすのが主流です。

世界でのアマランサスの利用

メキシコやインドでは種子を炒ってはじけさせ、粟おこしのようにするお菓子があります。

アジアの国々では種子を小麦粉などの他の穀物と混ぜて食べたり、葉を野菜として利用します。

 

中国では濃赤色の品種を醤油や酢の色付けにも利用したりします。

また、餃子の皮に練りこんで食べることもあるようです。

観賞用としてのアマランサス

健康食品としてのイメージの強いアマランサスですが、観賞用の花として園芸店などでは幾種かのアマランサスが流通しています。

ハンギングレッドとハンギンググリーンと言われる品種は垂れ下がる花が魅力的です。

 

園芸種として改良されたものの中には下葉が緑にえんじ色で赤と黄色に色づくパーフェクタ、下葉が銅葉で明るい紅色に色づくアーリースプレンダーなども人気です。

種子を採るための品種は花は垂れ下がらず、トウモロコシの穂のように、上に向かって花をつけるものもあり、日本でもいくつかの品種が流通しているようです。

アマランサスの育て方

種まきは発芽温度が高いため、4月に中旬以降になってからします。

移植を嫌うので、直播かポット植えがオススメです。

 

本場が5~6枚になったら定植し、直播の場合もそのくらいになるまでには1本立てにします。

陽当たりと水はけのよい所に植え付け、鉢やプランターで育てる場合も日当たりの良い所に置きます。

 

間隔は15㎝ほどで、株が大きくなってくると雨風で倒れやすくなるので、支柱をするか、ネットやひもを張って倒れるのを防ぎましょう。

肥料はあまり必要ではありません。

 

花壇に植えた場合は、多肥にすると倒れやすくなるので、避けた方が賢明。

鉢やプランターで育てる場合は植え付け時に緩効性の化成肥料を与えて、あとは株の状況をみて必要なら液肥を与えます。

病気には比較的強いですが、ヨトウムシが葉を食べます。被害が目立つときには殺虫剤をかけます。

アマランサスの花言葉

アマランサスの花言葉は不老不死、見栄坊、情愛、気取り屋などと言ったものです。

不老不死というのは色づいた葉がなかなか落ちないで寿命が長い所から付けられています。

また情愛は秋が深まるにつれて葉が色づき、紅色に燃え立つようになるところからつけられたと考えられます。

(ライター ナオ)