美しい人の例えとしても使われるバラ。
棘のある枝も魅力の一つなのでしょうか。
今回はバラの栽培や寿命についてのお話です。
バラの特徴
バラはバラ科バラ族の総称をいったり、そのうちの園芸種を指していいます。
今回は後者の園芸バラ、栽培バラについてお話します。
バラ属は灌木や低木、ツル植物で葉や茎に棘を持っているものが多いです。
園芸種の花弁は大部分が八重咲きですが、基本形は5枚の花弁と雄蕊があります。
北半球の温帯域に広く自生していて、チベット周辺、中国雲南省、ミャンマーにかけてが主産地です。
中近東やヨーロッパ、極東から北アメリカへは伝播し、南半球には自生していません。
日本でのバラ栽培の歴史
日本はバラの自生地として世界的に知られていて、品種改良に使用された原種のうちノイバラ、テリハノイバラ、ハマナシの3種類は日本原産です。
古くは万葉集の歌にも詠まれているほど、古くから日本に定着している植物でもあります。
江戸時代には職分を問わず、園芸が盛んになり、この頃にはバラの栽培は多くの人が楽しんでいました。
明治以降になると、現在のバラの位置づけに近くなり、花の女王として扱われるようになったバラ。
現在の東京大学農学部が「ラ・フランス」を農業試験場用の植物として取り寄せ、栽培を始めました時には多くの見物客が香りを嗅ごうと訪れ、バラの下部には金網の策が設けられたほど。
大正から昭和の頃には一般家庭にも普及するようになり、宮沢賢治や北原白秋の詩にもバラが登場するようになりました。
第二次世界大戦の頃には一時バラの栽培は停滞しますが、大戦後には再びバラの展示会が開かれる等、
バラの人気は途絶えることなく、その後バラ園が開園されたり、一般家庭の庭がバラ園のように綺麗に彩られたりして現在に至っています。
切り花用の花卉としてもキクやカーネーションなどと並ぶ生産高があり、ハウス栽培で年中市場に供給されるようになりました。
また、コンテストなども開かれ、キクの品評会と同様に栽培技術を競うものもあり、大いに栽培技術の向上につながりました。
現在はガーデニングが流行。その中でオールドローズなどの素材が注目を浴び、多くの人に栽培されています。
バラの人気品種
近年のガーデニングで人気の種類をいくつかご紹介します。
「ラ・ローズ・ドゥ・モリナール」は何より病害虫に強いという点で人気があります。
香りもグレープフルーツの香りで素晴らしく、色はピンク色で開花時は形状がカップ型からロゼット咲木へと広がっていく楽しみもあります。
「カルトブランシェのホワイトローズ」は香りは弱く微香性ですが、透き通るような花びらの白さが魅力です。木の勢いが強いので育てやすいバラです。
他には「イングリッシュローズ」や「ウィズレー」などが挙げられます。
バラの寿命
バラの寿命は10年とも20年とも言われます。
植えてから3から4年目が最も勢いのある時期で、その後は管理次第では長く栽培できるということのようです。
切り花用の品種は寿命が短いものが多く、4~5年程度と言われていますし、やはり品種にもよるようです。原種に近いバラはより長く生きるとも言われています。
古い株になると花の付きは悪くなりますが、花自体は落ち着きを持ち、色や形が良くなる傾向にあります。
接ぎ木よりも挿し木の方がより、長生きすることも知られています。
バラの花言葉
バラの花言葉は色によって違ってくるようです。
赤は「愛」「美」「定説」「情熱」「熱烈な恋」
黄色は「嫉妬」「不貞」「愛情の薄らぎ」
白は「尊敬」「純潔」「無邪気」「コイの吐息」
ピンク「上品」「気品」「暖かい心」「美しい少女」
などです。
また、品種によっての花言葉もあるようです。
バラに関するまとめ
北半球の温帯域に広く自生していて、チベット周辺、中国雲南省、ミャンマーにかけてが主産地。
中近東やヨーロッパ、極東から北アメリカへは伝播し、南半球には自生していない。
バラの寿命は10年とも20年ともいわれ、切り花品種は5年程と寿命は短い。
(ライター ナオ)