触るとペコリと可愛くお辞儀をする「オジギソウ」。
触っただけでまるで生き物のように動く姿は、とても不思議ですよね。
一体オジギソウはどのような仕組みで、なんのためにお辞儀をするのでしょうか?
今回はそんな疑問や、オジギソウの詳しい生態などについてまとめていきたいと思います。
オジギソウの生態
オジギソウは南アメリカ原産の植物ですが、日本を含め世界中で帰化しています。
日本国内では、沖縄で帰化植物として繁殖。
「眠り草」「ミモザ」という別名で呼ばれることもありますが、一般的によく知られている「ミモザ」とは別物です。
ミモザと言えば、黄色いポンポンのような花が咲くアカシア類の総称ですが…本家本元のミモザはオジギソウのこと。
オジギソウの花によく似た花を咲かせるということから、アカシア類の花を総称してミモザと呼ぶようになったそうです。
ちなみに…オジギソウによく似た「ネムノキ」と言う植物がありますが、こちらはお辞儀をしません。
「触ったのにお辞儀しないオジギソウがあった!」と言う場合は、ネムノキの可能性が高いです。
オジギソウの開花時期は7月から10月頃にかけて。
小さなポンポンのような形をした、ピンク色の花を咲かせます。
育てる場合は日当たりと水はけの良い場所を選びましょう。
みなさんも、一度はオジギソウを見たり触ったりしたことがあるかと思います。
しかし最近ではめっきり、その姿を見かけることが少なくなったような…。
じつは、日本でオジギソウが自生しているのは沖縄のみ。
元々暖かい地域の植物なので、沖縄以外では冬の寒さに耐えることができないのです。
「昔はたくさん生えていたのに、最近は見かけないな」という状況は、じつは沖縄以外ではありえないってことですね。
我々が見たことがあるのは多くの場合、小学生の頃に理科の教材としてだったり、誰かが植えていたものだったのではないでしょうか。
あの不思議な動きは、子供たちに大人気だった記憶があります。
面白がって何度も触っていると…次第に動かなくなってくるんですよね。
それは一体なぜなのでしょうか?
オジギソウが動く仕組みや理由などを、次で詳しく見ていきましょう。
オジギソウはなぜお辞儀をする?
オジギソウは筋肉があるわけでもないのに、どうやって動いているのか不思議ですよね。
その秘密は、葉っぱと枝の構造。
葉っぱが付いた枝と茎の付け根には、「主葉枕」と呼ばれる、水の入ったタンクのような場所があります。
オジギソウを触るとこの主葉枕に電気信号が伝わり、中の水分が移動することでお辞儀をするようにうなだれるのです。
葉っぱが閉じるのも、同じような仕組みによるもの。
10~20分ほど経つと再び水分が戻り、元のようにピンと立ち上がるのです。
つまり短時間で何度も触ってしまうと、水分の移動が間に合わなくなり、結果として動きが鈍くなってくるんですね。
それではなんのために、オジギソウはお辞儀をするのでしょうか。
その理由はいくつかあり、
- 日当たりを調節するため
- 雨風を防ぐため
- 水分の蒸発を防ぐため
- 食べられにくくするため
などが理由だと言われています。
雨の日や、日差しの強い日に観察すると、触る前からお辞儀をしているのが観察できるかもしれません。
じつに観察しがいのある植物なので、夏休みの自由研究の題材などにももってこいですよ!
オジギソウについてのまとめ
オジギソウは葉っぱの動きばかりが注目され、花の存在が忘れられがち。
しかしオジギソウの花はとても可愛いので、ぜひ花が咲くまで育ててみてもらいたいですね。
日本では冬を越せないため一年草扱いですが、種を取って毎年楽しんだり、上手く冬を越せれば翌年も花を咲かせたりすることもできますよ。
(ライター もんぷち)