冬になると通りを走る「いしや~~き~~いも~~おいも」の声。甘くておいしい石焼きいもは冬の風物詩でもあります。
しかし、そんな石焼きいもも、石焼きいもになるまでには長い道のりがあったわけで・・・・!?
今回は、様々な虫たちの障害を潜り抜けて立派な石焼きいもになったという、サツマイモの害虫についてのお話しです。
サツマイモの害虫
アワダチソウグンバイ
アワダチソウグンバイはカメムシ目カメムシ亜目グンバイムシ科に属する昆虫です。
北米原産の外来種で、1999年に兵庫県西宮市で確認されたのが日本で初めての記録と言われています。
体長は3~4㎜前後、全体に半透明で他のグンバイムシ科と同様に前翅、前胸、小楯板などが網目状になり、褐色の紋を持ちます。
発生時期は4~11月です。サツマイモの他にもキク、ヒマワリ、ナスなどを加害篩、セイタカアワダチソウについて吸汁することから名前が付けられています。
タバココナジラミ
タバココナジラミは日本の関東以南に分布し、大豆、ナス、サツマイモ、タバコ、キャベツなど23種に寄生が記録されています。
また、数種のウィルス病を媒介することでも知られています。サツマイモへの寄生が確認されたのは1990年のこと。
排泄物によるすす病が発生し、生育に被害を与えました。
ドウガネブイブイ
ドウガネブイブイはコガネムシの仲間。成虫は体長20㎜前後の大きさとなり、色々な葉を食害します。
幼虫は地中に生息しており、色々な植物の根を食害しますが、特にサツマイモやイチゴの根を好みます。
幼虫は逆向きの体制のまま全身をうねらせるように進むのが特徴です。
枯れた苗木や幼木の周りを5㎝程掘り返すと用ちゅを見つけることが出来ます。
成虫と一緒に捕殺するのが効果的ですが、幼虫の場合にはネキリムシ用の薬剤を幼木の周りにまくことで対処できます。
ハリガネムシ
サツマイモの一番の害虫と言ってもいいハリガネムシ。
ハリガネムシはルクビクシコメツキの幼虫で、サツマイモの何か所にも直径1~3㎜、孵化さ数㎝にもなる食痕の穴を開け、食味を落として商品価値をなくしていまいます。
農薬による駆除も可能ですが、マリーゴールドのアフリカントールという品種が線虫被害の予防になるようです。
ネコブセンチュウ
ネコブセンチュウは体が微小で細長く、多くの植物の根に寄生する植物寄生性の線虫です。
被害を受けた根の組織はこぶ状にふくらみ、メスは瘤の中に500個以上の卵を産みます。
日本ではキタネコブセンチュウなど、数種類が知られています。
キタネコブセンチュウは冷涼な地域に多く、温暖な地域にはサツマイモネコブセンチュウが生息しています。
被害を受けると、初めは細根発生部分がえくぼ状に深くなり、症状が進むとえくぼ状のへこみ部分からひし形に割れを生じます。更に被害が激しくなると割れが拡大して裂開したり、他の割れ目と融合してケロイド状になります。
イモキバガ
イモキバガの幼虫は体長が15㎜位。葉をつづり合わせ、中から食害します。
食害中の葉は白く透けて見えますが、次第に枯れて褐色になります。乾燥して雨が少ない年に多発する傾向がありますが、逃げ足が速いのが特徴。年に4~5回発生します。
ダイアシンなどの薬剤が効果的ですが、幼虫をみつけたら捕殺するのもおすすめ。
エビガラスズメ
エビガラスズメはヒルガオ科、なす科、まめ科の植物の葉を大量に食害します。
老齢幼虫は5~10㎝くらいの大きさになり、角のような尻尾が目立ちます。
体全体は黄緑色で、脚の付け根には赤い斑点が並びます。年に2回、8~10月に発生し、老齢幼虫が大量に葉を食害します。
見つけたら捕殺。間に合わない時はダイアシンなどの薬剤で。
他にもヒメコガネ、マメコガネ、ナカジロシタバ、ハスモンヨトウなど。
(ライター ナオ)