冬の終わりと春の始まりの間に白い花を咲かせる「マツユキソウ」って聞いたことありますか?
マツユキソウは、一体どんな花を咲かせるのでしょうか?
マツユキソウの魅力と一緒に紹介します。
マツユキソウとは?
「マツユキソウ(待雪草)」はヒガンバナ科のガランサス属の球根植物です。
ギリシャなどのヨーロッパ~コーカサス山が原産地です。
野生で18種類が自生していますが、改良品種は400を超えるそうです。
品種改良は主にイギリスで行われています。
日本には、明治初期に渡来しました。
マツユキソウには”ガランタミン”という成分が含まれています。
ガランタミンはアルツハイマーの進行を遅らせてくれたり、重症筋無力症の改善などの効果があります。
マツユキソウはどんな花が咲くの?
マツユキソウは、ひとつの茎の先にひとつの花を咲かせます。
葉っぱは細長くて平たい形をしています。
茎も緑色で、15センチぐらいの高さになります。
花の形はすずらんによく似ていて、雫のような、鈴のような小さな形をしています。
大きな花びらが3枚と、小さめの花びらが3枚で、花は下向きに咲きます。
純白の真っ白い色の花です。
日中は花が開いていますが、夕方から朝までは花は閉じています。
花びらが開いているときにマツユキソウをよく見てみると、緑色のハート型が見えるんですよ。
まだまだ雪の残る2~3月に花を咲かせます。
寒さに強い花で、小さくても雪の中で元気に育ちます。
マツユキソウの名前
マツユキソウは別名「スノー ドロップ(Snow drop)」と呼ばれます。
“雪の雫”という意味があります。
花の形がイヤリングのようなので、”雪の耳飾り”という意味もあるそうです。
ドイツでは”雪の鐘”と呼ばれ、イギリスでは”聖母の小蝋燭””2月の美しい少女”とも呼ばれます。
マツユキソウの学名は「Galanthus nivalis」です。
ギリシャ語で乳という意味の”gala(ガラ)”と、花という意味の”anthos(アンサス)”が語源で、雪の時期のという意味の”nivalis”で、「雪の時期の乳白色の花」という意味になります。
日本では”雪の花”と呼ばれることもあります。
現在はマツユキソウというより、スノー ドロップと呼ばれるほうが多いです。
マツユキソウの伝説
マツユキソウ 西欧の伝説
アダムとイヴが禁断の果実を食べてエデンの園を追放された時に、雪が降っていました。
悲しんでいた2人のもとに1人の天使が現れ、降っている雪をスノードロップの花に変えました。
天使は「寒い冬が過ぎれば暖かい春が来るから、あきらめてはいけない」と慰めたそうです。
マツユキソウ ドイツの伝説
雪には元々色がありませんでした。
雪が神様に色が欲しいと願い出ました。
すると神様は、花に色をわけてもらうようにと言いました。
雪は色々な花達に頼みましたが、わけてくれませんでした。
ですが、マツユキソウだけ自分の白い色をわけてくれたそうです。
ドイツではマツユキソウはとても大切にされています。
マツユキソウ スコットランドの伝説
スコットランドでは正月が来る前にマツユキソウを見つけると、翌年は幸せになれるといわれています。
マツユキソウ 聖母マリアの伝説
キリストの復活を喜んだ聖母マリアがマツユキソウを摘んだといわれており、2月2日の聖燭節にマツユキソウを聖母マリアに捧げています。
マツユキソウは、聖母マリアの花として純潔の象徴になっています。
マツユキソウについてまとめ
マツユキソウについて紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
マツユキソウはすずらんに似た花を咲かせます。
純白の白い色をした小さな花は、雪の雫のように美しく、そして可憐さを持っています。
喜びや幸せを運んでくれるマツユキソウです。
(ライター 雲呑)