色鮮やかで美しい花を咲かせる「フリージア」。
チューリップと共に、春の花壇を彩る定番の植物ですね。
花壇の彩りとしてはもちろん、切り花にしても楽しむことができるのが魅力的。
そこで今回は、そんなフリージアの生態や花について、そして育て方などについてまとめていきたいと思います。
フリージアってどんな植物?
フリージアの原産は南アフリカのケープ地方。
原種は10種ほどですが、園芸用として品種改良されたものは150種以上にものぼります。
アヤメ科の植物であり、アヤメやスイセンに似ていることから、「菖蒲水仙(あやめすいせん、しょうぶすいせん)」「浅黄水仙(あさぎすいせん)」などと呼ばれることも。
花の形も、「アヤメとスイセンを足して二で割った」という表現がしっくりきます。
「フリージア」という名前は、発見者からとって…というわけではなく、じつは発見者である植物学者エクロンの親友「フレーゼ」という人物の名前からつけたんだとか。
こういった名前のつけ方を「献名」(特定の人物に敬意を表して、その名前をつける)と言うらしいですが、何だかややこしいし、関係ない人から見たら「なんで発見者の親友の名前?」と思っちゃいますよね。
日本には江戸時代末期ごろに入ってきており、その姿や香りはとても日本人好みだったそうです。
人気が出るに従い、球根の栽培も行われるようになりました。
しかし、やはり原産である南アフリカとは気候が大きく異なる日本での栽培は、少々難易度が高いようです。
フリージアはどんな花を咲かせる?
フリージアは秋に球根を植え付け、春になると花を咲かせます。
この辺はチューリップと同じですね。
6枚の花弁からなる筒状の花は、前述したようにアヤメやスイセンによく似ています。
カラーバリエーションは、白、黄色、赤、ピンク、紫、オレンジなど。
原種に近い白や黄色の花は丈夫で切り花にも良く使われますが、品種改良によって生まれた他の色は病気に弱い傾向があるため、あまり生産されず切り花として市場に出回ることは少ないです。
ただ、商品として生産することが難しいというだけで、個人で手をかけて育てるのならば栽培は可能ですよ。
フリージアの花には、とても良い香りがするという特徴もあります。
黄色や白のフリージアはまるでキンモクセイのような甘く強い香りがしますし、赤や紫系統の花はフルーツのような甘酸っぱい香りがします。
他にも、「瑞々しい香り」「甘さと爽やかさがちょうどいい香り」などと感じる人も多いようです。
やはり、花は見た目の美しさだけではなく、香りも大切ですよね。
フリージアの香りは、香水などでもよく使われています。
また、フリージアの魅力は花の美しさや香りの良さだけではなく、花言葉にもあります。
色によって花言葉が変わり、例えば赤いフリージアは「純潔」、白いフリージアは「あどけなさ」、黄色いフリージアは「無邪気」と言うように、まるで子供のような純真無垢なイメージが盛り込まれていますね。
西洋ではこの他にも「友情」や「信頼」という花言葉があり、これはもしかするとフリージアの名前に発見者の友人が献名されたことが由来となっているのでしょうか?
切り花にもできるので贈り物の花束やアレンジメントなどに大活躍しますし、大切な友人へのプレゼントなどにしてみてはいかがでしょう。
フリージアについてのまとめ
フリージアの生産地としては、八丈島が有名だということを知っていましたか?
そのため、毎年3月から4月にかけて八丈島では「フリージア祭り」が開催され、人気のスポットとなっているんです。
一面フリージアに覆われた光景は圧巻ですし、花の摘み取りや花を使ったワークショップなどが楽しめます。
気になる人は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(ライター もんぷち)