みなさん「オニグモ」というクモをご存知でしょうか。
ぎょうぎょうしくて非常に恐ろしい名前であり、実際名前負けもしていない立派な見た目をしたクモです。
クモといえば一般家庭にも侵入してきてよく見ることもあります。
小さいものから大きいものまで多種多様で、その生態も種類によって様々です。
家のすみっこで巣を張ってじっとしているクモもいればピョンピョン跳ねて移動しているようなクモまで現れます。
虫が苦手な人でも、外で出会った場合は近づかなければ問題はありませんが、自宅で出現してしまうとプチパニックに陥ってしまうことでしょう。
追い出したり処理をするのに苦労をすることだと思います。
しかしクモは人間にとって害のある生き物なのでしょうか。
今回は特にオニグモについて言及していこうと思います。
オニグモの生態や特徴から、人間との関りなどを考えていきましょう。
オニグモの生態
オニグモはクモの中でもかなり大型であり、およそメスが3㎝でオスが2㎝です。
数センチと聞くと小さく感じますが、これは人間でいう胴体部分の大きさでありクモは足が非常に長いため足の長さまで含めるともっと大きくなります。
またオニグモはメスのほうがオスよりも一回り大きいというのも一つポイントです。
人間や大きな動物なんかはオスのほうが大きくて力も強いことが一般的ですが、虫の世界ではその逆となっていることが多いのです。
外観の特徴としては全体的に灰色がくすんだような色合いのものがおおいですが個体差が大きいです。
また表面上はごつごつとした印象で足にはなんと多数の棘が生えているというなんとも強そうなクモです。
オニグモの食性と巣について
オニグモは、ジョロウグモやコガネグモに並んで一般的な大型クモであり体内から糸を放出することで罠を形成する点でも共通しています。
また、ふ化して間もないころは比較的低い位置に罠を張る傾向にあり、成長とともに高い位置に張るようになっていくと言われています。
その罠の大きさは直径1mを超えるような大きなものができることもあり、家の中でこれをやられるととんでもないことになります。
さらにオニグモの変わった習性として、時間帯によって罠をつぶしたり作ったりするということが確認されています。
この説の有力なものとして、昼は罠をつぶし自身の姿を潜めており、夜になると罠を張って獲物を捕らえる態勢を整えるといったことがあります。
これには例外的な行動も多く見られているので必ずしもすべてのオニグモがこのようなリズムで生きているわけではありません。
オニグモは人間にとって害なのか?
オニグモは虫などを食べる肉食の生物です。
罠に飛来してきた虫は糸にくっついて脱出ができなくなり、振動により引っかかったことを知ったオニグモが、捕まえた虫に対してさらに糸を吹き付けることでより強固に固定してから食事を始めます。
このとき毒を相手に注入して麻痺させることが知られているため人間も危険なんじゃないのかと思う方もいるかもしれませんが、これは小さな虫相手だから効果があるのであって人間にとってはほぼ無害と言えます。
オニグモから人間に向かって襲い掛かってくるなんてこともないので怖いクモではありません。
むしろ日本に現れるクモ全般に言えることですが、クモの捕食対象は人間にとっての害虫であることも多いためクモは益虫とも言えます。
オニグモの存在は人間にとって利益があった!
オニグモはその見た目から敬遠されがちですが害はまったくありません。
微弱な毒は保有しているものの気にするほどのものではなくそもそも噛まれることも普通ありません。
見た目がいかつくとげとげしいため攻撃的に見えるだけなのです。
さらに良いことには、罠を張って害虫を食べてくれるので、見た目が個性的な自動害虫駆除システムを導入したと考えれば十分利益をもたらしてくれる存在です。
自宅でオニグモを発見した場合は、放置してみるのもありかもしれません。
(ライター yuki)