タランチュラは皆さん一度は耳にしたことのある名前でしょう。
タランチュラはもともとヨーロッパの伝説に登場する毒グモです。
現在、実際にタランチュラと呼ばれるクモは一匹の固有名詞ではなく、数種類いるのです。
タランチュラと呼ばれるクモ
タランチュラと呼ばれるクモはジグモ科、ホンジョウゴグモ科、ジョウゴグモ科、イボナガジョウゴグモ科、オオツチグモ科、コモリグモ科などに分類される種類です。
このうち、日本に生息しているのはジョウゴグモ科のオオクロケブカジョウゴグモですが、このオオクロケブカジョウゴグモをタランチュラとはあまり言わないようです。
国産タランチュラ!?オオクロケブカジョウゴグモ
国産のタランチュラという名前を無理やり付けるとしたら、それはやはりオオクロケブカジョウゴグモということになるのでしょうか。
体長は35㎜ほど、全身黒色で腹部はやや赤みがかかっています。
尻部には長い2本の糸器があります。
森林内の倒木の下などにトンネル状の巣を作ります。
オオツチグモ科の蜘蛛
現在一般的にタランチュラと呼ばれることの最も多いのがオオツチグモ科のクモです。
オオツチグモ科に分類されるクモは北アメリカ南西部から、南アメリカ、熱帯アジア、地中海地方、熱帯アフリカ、ニューギニア島、オーストラリア等世界の温暖な地域に分布しています。
大型で全身に毛が生えていて、いかにも恐ろしそうな様子をしています。
南北アメリカオオツチグモは腹部に刺激毛を持っていて、自己坊絵のためにこれを脚で蹴り、飛散させます。
この毛が目や皮膚に着くと痒みのある炎症を起こします。
鳥の巣を襲い、鳥を食べることもあり、トリクイグモなどと呼ばれることもありますが、実際に鳥を常食しているわけではないようです。
しかし、種類によっては体長が30㎝を超えるものもいて子ネズミなどは好んで捕食します。
オスは成熟すると比較的短命で、メスに食われてしまうこともありますが、メスは飼育下では数十年生きる種類もいます。
日本でオオツチグモ科のクモは生息できる?
日本でも昭和初期の頃に輸入したバナナに卵や仔グモがついて誤って輸入されてしまうことが稀にあり、大騒ぎしたこともありましたが、そのまま生息するようなことは無かったようです。
現在でもオオツチグモ科のクモは日本には生息しておらず、一部クモ愛好家の人が飼育しているにとどまっており、2006年、横浜の民家でタランチュラが捕獲されましたが、これも飼育していたタランチュラが脱走したと考えられています。
ペットとされるタランチュラ
ペットとされる代表種としてチリアンコモンタランチュラ、メキシカンレッドニータランシュラ等がいます。
とても大人しく、長寿で美麗なためとても人気があり、一部の大型種を除けば長辺30㎝程度のプラスチックケースで生涯飼育することが出来るので、スペースなどもとらずに比較的簡単に飼育できるのも人気のあるポイントのようです。
また、エサも昆虫やマウスといった比較的安価で売られているエサを食べ、長期間の絶食にも耐えるなど、手間がかからないのも良いようです。
一時は人気の種類のペットトレードが原因で乱獲がされ現地個体数が激減したこともありましたが、現在は愛好家による繁殖個体が一般的に流通することも多くなり、価格は落ち着いているのだとか。
便宜上4つのタイプに分類され、ツリースパイダー、バードイーター、バブーンスパイダー、アースタイガーという名前が付けられています。中には驚異的な速度で移動する脱走しやすいタイプやきわめて獰猛で牙を擦り合わせて威嚇音をたてるタイプもいるので注意が必要です。
(ライター ナオ)