蜘蛛と言えば黒や茶色など、闇属性のようなカラーリングをしたものが多いです。
黒に赤や黄色の模様とか…中二心をくすぐりますね。
しかし蜘蛛の中には、鮮やかな緑色をしたものもいます。
そこで今回は、緑色の蜘蛛の種類と、その生態などについて簡単にまとめていきたいと思います。
緑色の蜘蛛の正体
緑色なんて目立ってしょうがない…と思われるかもしれませんが、緑色をした蜘蛛たちの主なフィールドは植物の上。
植物の緑の中では、絶好の保護色となるというわけですね。
それでは、そんな緑色の蜘蛛たちを紹介していきましょう。
ハナグモ
緑色の蜘蛛の代表種と言えばハナグモです。
大きさはオス3~4mm、メス5~6mmと小さく、その名の通り花に集まる虫を主な獲物としています。
幼体の頃はオスメスどちらも全身が緑色をしていますが、成虫になるに従いメスは腹部が白く、茶色の模様が出てくるのが特徴。
オスは腹部のみが黄緑色で、頭部、胸部、脚は茶色。
よく似た近縁種に、少しだけサイズの小さい「コハナグモ」という種類がいます。
ワカバグモ
ワカバグモは日本全土に生息しており、大きさはオス8~10mm、メス12~13mm。
こちらも緑色の蜘蛛の中ではポピュラーな種の一つです。
スリムな体にカニグモ科らしい長い前脚が特徴的。
体色は瑞々しく綺麗な緑色ですが、オスは成長するにつれて少し褐色を帯びます。
夕方になると葉の上で獲物を待つので、見つけるならそのタイミングを狙うのがおすすめ。
アオオニグモ
アオオニグモは手足が鮮やかな緑、腹部は緑がかった薄い乳青色の蜘蛛。
決して派手ではないですが、とても印象的なカラーリングなので、一度見たら忘れられない姿をしています。
大きさはメス9~11mm、オス6mm前後。
花弁や葉っぱをアーチ状に丸め、そこに巣を作り住居とします。
あまり開けていない山林を好むので、普段の生活で目にする頻度は少なめ。
ウロコアシナガグモ
透きとおるような黄緑色がとても美しい蜘蛛。
その名の通り、腹部はウロコ状の模様が描かれており、まるで宝石のようです。
大きさはメス7~9mm、オス5~7mm。
北海道から沖縄にかけて、日本全土に分布しています。
山や森林から街中の公園や住宅の庭など様々な環境で生息しているので、その気になって探せば見つけるのはそう難しくはありません。
サツマノミダマシ
頭部や手足は褐色ですが、腹部がまるで木の実のように真ん丸で緑色なのが特徴の蜘蛛です。
その姿がまるで「さつまの実(ハゼノキの果実)」によく似ていることから、この名前が付けられました。
確かに、サツマノミダマシが木の枝についていたら、普通に木の実にしか見えませんね。
大きさはメス8~11mm、オス7~9mm。
メスの方が色鮮やかで腹部も丸々として、よりさつまの実に似ている傾向が強いようです。
危険はあるの?
派手な色の蜘蛛は毒を持っているのではないか、と心配になる人もいるでしょうが、上で紹介した蜘蛛についてはその心配は無用。
緑色は敵に対する警戒色と言うわけではなく、植物の上で身を隠すための保護色です。
人間にとっては無害ですし、基本的には植物を棲み家や狩りの場としているので、家の中に巣を張ったりすることもほぼありません。
蜘蛛は基本的に臆病なので、自ら人を襲うことはありませんが、無理やり捕獲しようとしたりすれば噛まれることもあるので気を付けてください。
もしも家の中で見つけたら…迷い込んで来てしまったんだなと、優しく外へ逃がしてあげましょう。
緑色の蜘蛛についてのまとめ
私たちの身の回りには、とてもたくさんの種類の蜘蛛が存在します。
変わった色や姿をしたものも多いので、そういったところから興味を持って、いろいろ調べてみるのも面白そうですね。
緑色の他にも、ビックリするような色をした蜘蛛が発見できるかも?
(ライター もんぷち)