家の壁や窓の外などに巣を作っている、毒々しい黄色と黒のカラーリングの巨大な蜘蛛…その正体は「ジョロウグモ」です。

とても身近な蜘蛛ではありますが、見た目の気持ち悪さゆえか、その生態などを詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。

一体どんな蜘蛛なのか?放っておいても害はないのか?などの疑問について、見ていきたいと思います。

黄色と黒の蜘蛛の正体…それはジョロウグモ

ジョロウグモは本州から九州まで広く生息している蜘蛛です。

誰しも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

特徴は大きな体に、黒と黄色のカラーリング。

成体の体長は最大で3㎝近く、手足も合わせるとかなり大型の蜘蛛ですが、それはメスのみの話。

 

雄の体長は1㎝以下ととても小さく、まるで別の種類の蜘蛛のようです。

山林から餌の豊富な人家の周辺まで様々な場所に生息しており、他の蜘蛛よりも大きく複雑な構造の巣を作ります。

 

巣の大きさは直径1mになるものもあり、スズメバチすらも捕食して食べることもあるほど。

一度巣を作った場所からは生涯動かない性質があり、よほどのことがない限りは、自ら巣を放棄して出て行くことはありません。

 

獲物が巣にかかると、糸から伝わる振動でその場所を感知。

獲物に毒を注入して動けなくさせてから、糸でぐるぐる巻きにして巣の中央へ運び、頭部からゆっくりと数日かけて食べていくんだそうです。

もし人間が昆虫サイズだったら、絶対にジョロウグモにだけは捕まりたくないですね。

ジョロウグモは危険?

黄色と黒の縞模様なんて、踏切のバー然り、立ち入り禁止テープ然り…危険を表すカラーリングですよね。

と言うことは、ジョロウグモも危険な蜘蛛なのでしょうか?

 

そうだとしたら、すぐに駆除などの対策をする必要があります。

じつはジョロウグモは、毒を持っています。

 

ポリアミントキシンという毒で、これにより獲物を動けなくさせて捕獲するのですが…人間にはほぼ影響はありません。

噛まれると結構な痛さがありますが、そもそもジョロウグモが自分から人間を襲いに来る可能性はほぼゼロ。

捕まえようとしたり何かちょっかいを出さない限りは、噛まれることはないでしょう。

ただし、「噛まれても毒が効かないんなら、少々大丈夫w」と油断してはいけませんよ。

 

何度も噛まれていると、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。

基本的には、むやみに手を出さないほうがいいでしょう。

 

それを除けば、ジョロウグモは様々な害虫を食べてくれる益虫です。

窓の外に巣を張っていたら、初めは「うわぁ…」と思うかもしれませんが、そのおかげで家に侵入してくる虫は激減しますよ。

ジョロウグモ自体が平気なら、駆除をせずにいたほうが得かもしれませんね。

移動方法が面白い!ジョロウグモの「バルーニング」

ジョロウグモは大きな蜘蛛ですから、狭い範囲に仲間同士でひしめき合うことはありません。

自分の獲物が少なくなってしまいますからね。

 

それでは、卵から産まれた子供たちは、どうやって別の場所に移動するのでしょうか。

歩いて…だと結構時間がかかってしまいそうですよね。

 

こういった待ち伏せでの狩りに特化した昆虫は、歩くのが遅いですし。

そこで開発(?)された移動手段が「バルーニング」!

 

その名の通り、風船のように飛んでいく移動手段です。

その場から糸を出してぶら下がりそのまま風に乗って飛ばされる方法と、空中に糸を吐いてタンポポの種のように飛んでいく方法とがあります。

 

「なんでこんなところに?」と思うような場所にジョロウグモが出現した場合は、バルーニングでそこまで飛ばされてきた可能性が高いですね。

どのくらい飛ぶのかはわかりませんが、いつか空中を漂っている蜘蛛を見てみたいです。

黄色と黒の蜘蛛の正体についてのまとめ

黄色と黒のカラーリングの蜘蛛の中には、ジョロウグモによく似た「コガネグモ」と言う種類もいます。

コガネグモは腹の下側が赤くなく、大きさもジョロウグモほどは大きくなりません。

今度もし黄色と黒の蜘蛛を見つけたら、よく観察してみてくださいね。

(ライター もんぷち)