体毛のカラーバリエーションが豊富で、ペットとして人気が高いタランチュラ。タランチュラとはクモ目オオツチグモ科の通称名です。
土蜘蛛は鵺などと共に昔話などに妖怪として登場することもあります。
鵺は実在しませんが、土蜘蛛は実在する生物です。
タランチュラたちの野生下の生態
タランチュラにはとにかく種類がたくさんいます。
共通点は体が大きく毛がふさふさしていること、メスは特に長く生きる事など。
毛のある大きな毒蜘蛛=タランチュラという通称名が浸透しているのは、種が多くまるっとひとつにした呼び方が便利なせいかも知れません。
温暖で乾燥気味の地域に生息します。
主な生息地は、アメリカ大陸、熱帯地方のアジア、熱帯のアフリカなど。
アメリカのタランチュラは主にバードイーター、アジアでは地中で暮らすアースタイガー、アフリカはバブーンと言われており生活形態や性質も様々。
アフリカのバブーンは気性が荒めです。脚を振り上げて威嚇行動をとります。
アメリカのタランチュラは格好は怖そうですが、比較的おとなしい。
人間に対する毒性は強くなく、飼いやすいとされています。
夜行性で主に土の中や地上で暮らし小型の昆虫や両棲類を食べます。
タランチュラはクモの巣はつくらず、獲物をじっと待ってから脚でとらえ鋏角で突き刺し獲物の動きを止めます。
中には巣穴から糸を張り、獲物がきたらすぐにわかるようにしている種もあります。
昔のスパイみたいですね。大物を仕留めた後は、ひと月ほど捕食しない事もあるそうです。
脱皮をして大きくなります。
基本的に長生きです。
メスは20年以上生きることもあるそうですね。
タランチュラの身体的特徴
クモの仲間のタランチュラは、虫とは異なる体の作りをしています。
体は頭胸部と腹部の2つに分かれており、頭胸部から脚が突き出ています。頭の上の方に眼がついています。
タランチュラには眼が多いものがいます。
毛が多いので分かりにくいですが、メキシコに生息するメキシカンレッドニーは眼が8つあります。
タランチュラの視覚に死角なし、といっても過言ではあるまい。
メキシカンレッドニータランチュラは、これぞタランチュラ、という姿をしており、タランチュラ飼育の入門としても良いかも知れません。
飼育する際にはこのような体の仕組みに目をつけてみるとより楽しそうです。
体毛のバリエーションも豊かです。
茶系でふさふさのものもいれば、上質な毛皮に見えなくもないような質感をもったもの、ローズ系にブルーなど。
主に脚の部分にブルーの体毛を持つタランチュラ、ソコトラ・アイランド・ブルー・バブーンは2014年のイギリスタランチュラ協会により、世界一美しいタランチュラという称号を得ているそうです。
販売店など
昨今の人気上昇により様々なペットショップで販売しています。
珍しい種は人気が高く高額な事も。
好みもありますから、実際に販売店に足を運び個体を選ぶ方がよさそうですね。
餌や必要なもの、環境の整え方、日々のお世話や注意点など、親切なペットショップを選んだ方が無難でしょう。
準備するもの
専門店では、タランチュラを飼うにあたり必要なものをセットで購入することもできるようです。
よほどの大型種でない限り、30㎝ほどのケース内で一生飼育することが可能。
日本に輸入されているタランチュラは成体のメスで8㎝、オスがやや小さい5㎝程の事が多いようです。
メスは数㎝大きめ。脱走しないように蓋のある容器にします。
土蜘蛛なので土地を作ります。
土や木片など、その上に木などをレイアウトしてもいいですね。彼らの生息地域に似た環境を整えます。
タランチュラの為の温度管理など
温暖を好み、湿気に弱い。25度から28度ほどが適温。
サーモヒーターと温度計・湿度計があるといいですね。
保湿性のある土も売っていますが、蒸れないように通気性はよくします。
タランチュラは動物食です
タランチュラの仲間は基本的に動物食です。
成体のタランチュラには、週に一度程度、ピンセットを使って生きたコオロギなどを与えます。
頻繁に新鮮な餌を用意することが出来ない場合、冷凍のものもあります。常温に戻してからあげます。
おおむね乾燥には強いようですが、水については水容器を用意し、タランチュラがどういう行動を見せるか観察します。
種類によりますが、週に一度くらい水をスプレーでかけてあげるといいようです。
また、毒性は強くないものの毒は持っていますので、素手で撫でさする事はやめておきましょう。
タランチュラの寿命
長く生きます。飼育前には長いお付き合いを始めることを決心しましょう。
タランチュラとタランティズムとタランテラ
タランチュラというと、毛のある蜘蛛の姿と共にピアノ曲のタランテラを思い出します。
タランテラは初心者向けピアノ練習曲本によく載っている、軽快なテンポの舞踏曲です。
イタリアが起源だそう。
時は15世紀くらい、ところは欧州南イタリアで重篤な流行り病が流行した。
原因は伝説上の毒蜘蛛タランチュラに噛まれたからだとされ、その病はタランティズムと呼ばれていた。
病を治す為にはタランテラを踊る事が特効薬とされていた。
タランチュラの名前の由来はこの言い伝えからきているらしい。
本当かどうか知る由もありませんが、このように誰も傷つかない真偽不明な話は、たまに読んでみると愉快なものです。
めでたくタランチュラの飼育に成功した暁には、BGMとしてタランテラをかけてみるのも一興かも知れません。
(ライター:おもち)