とにかく恐ろしいいイメージのあるタランチュラですが、その毒は実はたいしたことがないって知ってましたか?
タランチュラは伝説の蜘蛛
タランチュラというのはもともとイタリアのタラントという町で伝説として言い伝えられていた蜘蛛。
その頃はコモリグモの一種をタランチュラと呼んでいたらしく、体長はメスで27㎜、オスは小さく19㎜程。
この蜘蛛に噛まれるとタランティズムという病になり、その病を克服するためにはタランテラという踊りを踊ると良いとされていたのだそう。
その時代にはタランテラを踊るための音楽が沢山作曲されたとも言われています。
現代のタランチュラ
そのころから大きな蜘蛛をタランチュラというようになっていて、現在ではオオツチグモ科の蜘蛛を総称してタランチュラということが多いのだそうです。
オオツチグモ科の蜘蛛はアメリカやアジアの世界の温暖な地域に多く生息しています。
種類も多く、刺激毛を持っているものや鳥をも食べると言われているものなど様々。
しかし、そのどれもがイメージのような強力な毒を持っているわけではないのが実態です。
タランチュラの毒
タランチュラの持っている毒はタランチュラトキシンと呼ばれるもので、一般的なハチの毒よりも弱いと言われています。
実際タランチュラに噛まれて死亡した例というのは現在まで1例ほどで、それもアナフィラキシーショックによるものと報告されています。
しかし、鋭い牙を持っているのは事実で、噛まれると相当な痛みを伴うのだそう。
それに加えて、種類によってはお腹やお尻に刺激毛を持っていて、その毛を飛ばすことで相手にダメージを与える蜘蛛もいて、実際注意しなければならないのは事実。
タランチュラよりも恐ろしい毒グモ
世界にはタランチュラよりもずっと恐ろしい毒グモが存在しています。
ブラジルに生息しているクロドクシボグモは2007年にギネスに登録された世界最強の毒を持つ蜘蛛で、今までにこのクモに噛まれて80人以上が亡くなっているのだとか。
その毒性は強力で噛まれてから死に至るまでの時間はたったの25分というのだから、とにかくどれくらいの毒性かは想像がつくでしょう。
タランチュラと人間のかかわり
毒グモとしてイメージだけが先行してしまっているタランチュラですが、中にはペットとして飼っている人もいるそうで、中でも人気の種類はチリアンコモンタランチュラとメキシカンレッドタランチュラ。
両方とも毛がフサフサしている見た目にゴージャス感のあるクモです。
人気のポイントは見た目が綺麗でおとなしいということ、それに加えて長寿で飼育しやすいということ。
なんと30か月の断食にも耐えられるほど、飢餓状態に強いのだそう。
一日や二日エサやりを忘れたところで、そう簡単には死なないというのは、飼う方としてはとても有難いポイントです。
タランチュラの種類
世界のタランチュラをいくつか紹介していきます。
ルブロン・オオツチグモ
世界最大の大きさを誇るオオツチグモ。その大きさは13㎝ほどあるのだそう。
脚を広げた時の大きさは20㎝を超え、人間の手のひらよりも大きいサイズ。
体色は褐色がかかった赤色で、刺激毛を持っていて、危険を感じるとお腹の毛を飛ばして攻撃します。
ゴライアス・バードイアーター
ブラジルに生息している蜘蛛で、こちらも世界最大級と言われる大きさを誇ります。
多湿を好み、すばしっこく動きますが、環境の変化に弱く、飼育するのは難しいよう。
名前にもついているバードイーターの名の通り、鳥の雛なども食するのだそう。
ブラジリアン・ブラック
パラグアイに生息している蜘蛛で大きさはメスで17㎝、オスは15㎝ほど。
真っ黒のフサフサの毛で覆われていて、足が短いのが特徴です。
ペットとして人気のある種類でもあります。
意外にも毒性は大したことがなく、それどころかペットに向いている種類がいるというのだから、タランチュラのイメージが180度変わってしまいません?
日本にも輸入のバナナなどに紛れて入ってくることもあるタランチュラ。
どこかで見かけても必要以上に怖がることはないようです。