派手ない体でその名を轟かせている!?女郎蜘蛛。

私たちのよく知るカラフルな女郎蜘蛛は全部雌だってこと知っていましたか?

女郎蜘蛛って?

日本では北海道以外に生息しています。

体長はメスで17~30㎜、オスはメスよりも遥かに小さく、6~13㎜ほどです。

オスとメスでは体の色も大きさもちがいます。

黄色と緑と黒、お腹部分には鮮紅色のワンポイントの入った派手な印象の強い女郎蜘蛛ですが、それはメスで、オスは褐色の実に地味な色合いをしています。

沖縄には女郎蜘蛛よりもさらに大きいオオジョロウグモが生息しています。

女郎蜘蛛の生態

女郎蜘蛛は造網性の蜘蛛で、普通の蜘蛛よりも手の込んだ3D型の蜘蛛の巣を器用に作り上げます。

個体によって体の大きさが違うので、それぞれの大きさに見合った巣をつくるようです。

大きな個体の蜘蛛は大きめの昆虫、セミやスズメバチなどがかかる場所を好んで巣をつくります。

一旦作った巣からは移動することはないようで、壊れた巣を何度も修復して生涯をその巣で過ごすようです。

 

女郎蜘蛛は普段は自分の作った巣の中央にいて、エサがかかるのを待ちます。

巣に引っかかったエサの存在は足についている毛、聴毛でその振動をキャッチします。蜘蛛は視覚はほとんど発達していないようです。

エサにたどり着くとまずは毒を注ぎ込み、動かないようにしてしまいます。

 

その後、糸で巻いて中央部分に運び、数日かけてゆっくりと食べていきます。頭部分から食していくことが多いのだそう。

9~10月にかけてが蜘蛛の繁殖期で、この時点でオスは7回、メスは8回の脱皮を終えています。

交尾はメスの食事中かメスが脱皮した直後に行われるようで、これはオスがメスのエサとなることを避けるためだそう・・・・女郎蜘蛛のメス恐るべし!たしか、カマキリのメスもオスを食べるんでしたよね?

確かに共通した強さを感じるような・・・

 

10月になるとメスは建物の間や葉っぱなどに卵嚢を作って産卵します。

卵のまま越冬し、翌年の春になると孵化するのですが、一齢の間は卵嚢の中で過ごし、二齢になると「まどい」という集団生活をし始めます。

これは、一か所に何匹もの小さな女郎蜘蛛の幼体がうじゃうじゃといる状態。

女郎蜘蛛の強さを考えるとちょっと恐ろしいきもしますが、幼体はまだそれほど女郎蜘蛛感もなく、小さな普通の蜘蛛が固まっているような状態です。

 

幼体は時期にバルーニングという方法で風に乗って各々の場所へ移動していきます。

バルーニングは、いる場所から糸を出して垂れ下がり、風に乗っていく方法と、枝などの先端まで移動し、空中に向かって糸を吐き出し、その糸にぶら下がる形で飛ばされるタンポポの種状態の2つの方法があるそうです。

女郎蜘蛛の幼体はこのバルーニングも何匹かの集団で行うらしく、これがそれぞれの旅立ちの儀式!?になります。

 

女郎蜘蛛の巣

女郎蜘蛛は体の大きさでもわかるように、巣を張るときに沢山の糸を出すことができます。

ですから、女郎蜘蛛の巣はとても立派。

普通の蜘蛛が経糸を張ったあと、横糸を張るためにぐるぐると円を描くように作っていくのに対し、女郎蜘蛛の巣は経糸と経糸の間を何度も何度も往復することによって、密で丈夫な編み目を作り上げます。

粘着性のある横糸が何本にも、罠の様に張り巡らされるというわけ。

特に下部分に多くの横糸を張るようで、その重みで下方に大きく垂れ下がる巣が出来上がることも多いのだとか。

 

 

女郎蜘蛛の毒

女郎蜘蛛はポリアミントキシンと呼ばれる毒を持っています。

この毒で、大型の獲物を捕獲しすることができるのですが、これは人間にはあまり影響のない毒なのですが、心配しなければならないのはアナフィラキーショックです。

スズメバチなどと同じ、体に抗体ができてしまうことによる危険です。

女郎蜘蛛は立派な牙をもっているので、噛まれると相当な痛さも伴い、両方の意味であまりむやみに触ったりはしない方が良さそうです。

 

ちなみに、よく間違えられるコガネグモ。

お腹部分に赤い模様がないことや脚の太さなどが違うのですが、こちらもエサをゲットする時には毒をつかいますので、併せて注意しておいた方が良さそうですよ。

(ライター ナオ)

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