みなさんはアメフラシという生き物を知っているでしょうか。
これは海の生き物なのですが、魚などはとくに地域によって呼び名が違っていたりして、馴染みのある名前でなければわからないこともよくあります。
このアメフラシも同様で地域によってはウミウシと呼ばれていることもありちょっと紛らわしいです。
さてこのアメフラシですが、一般に食用として出されていることは珍しく、食べたことある人もかなり少ないと思います。
実はこのアメフラシは本体の身だけでなく、卵も食べることができるようなのです。
そのアメフラシの卵は美味しいのでしょうか。
そしてその味や食感はどのようなものなのでしょうか。
アメフラシの生態
アメフラシは後鰓類と呼ばれる軟体動物です。
日本沿岸に多く分布し、大きさはだいたいが20㎝から30㎝ほどです。
「アメフラシ」の由来は、アメフラシの出す液体が紫色をしており、その様子が雨雲のように見えたということが関係しています。
また身体の特徴として頭部に突起が2本あることから海外では海のウサギという意味の名前を付けられています。
実際の見た目はゲテモノと言われてしまうような容姿であり、ウサギの可愛さとは程遠いです。
食性
アメフラシは草食なので周囲の魚を捕食したりすることはありません。
海藻類を好んで食べており、基本的に水深数メートル程度の浅瀬を這って移動しています。
しかし穴を掘ることも可能であるため海藻などの食料が減ってくると穴を掘って餌を探すこともあります。
そのため海辺を歩いていると時期によっては砂浜に打ち上げられたアメフラシが発見出来たり、砂に穴を掘って内部に潜んでいるアメフラシもいたりします。
アメフラシの移動速度は非常に遅いですが、嗅覚がとても発達しているため嗅覚に頼って食料を確実に見つけてそこまで頑張って移動していきます。
人間に対して害はある?
アメフラシは草食なので人間を襲ったり噛みついたりすることはありませんが、体内に毒を持っており、刺激することで紫色の液体を放出します。
この液体は本来敵に襲われた際に逃げるための手段として使われます。
水中で放出すると海水と混じって煙幕のようになります。
しかしもっと重要な役割として、その液体を口にしてしまうことで相手の食欲をそぎ落とす効果があるのです。
移動面で他の生物に劣るアメフラシならではの防御方法と言えます。
アメフラシの卵の特徴は?
アメフラシは産卵することで繁殖をするのですが、この卵の見た目が非常に変わっていて、全体として黄色い麺のようになっているのです。
その麺のようなものの中を見てみると小さい粒が見えます。
その小さい粒が一つ一つの卵であり、それらが数百個連結した結果麺のような形状になるのです。
アメフラシの多い、産卵を迎える時期には海に行くと海岸にアメフラシの卵を発見することができるかもしれません。
卵は美味しい?料理や食感について
アメフラシ自体も食べることは可能なのですが、卵についても同様で、食べられている地域がありあます。
アメフラシの卵は麺のような形であることから「海そうめん」とも言われ、このとき、水洗いした後に酢と生姜を添えることで料理として出されています。
他にも煮付けにして食べるなどアレンジも多様です。
そこで肝心の味ですが、卵自体はそれほど味が強くなく海藻のような風味で塩気を少し感じるようです。
食感は独特で麺みたいに食べられるわりに噛むとシャクシャクとして海ブドウに近いものも感じられます。
アメフラシの卵は調理をすることで美味しく食べられる!
アメフラシの卵は基本的にしっかりと煮込まないと、そのままでは固く苦みも残っています。
しかし下準備と味付けをしっかりと施すと独特の味と食感を残したまま食べることができます。
(ライター yuki)