コウガイビルという聞きなれない名前を聞いたことのある人はいるでしょうか?
ミミズのようでミミズでないこの生きものについて詳しく説明していきます。
コウガイビルの特徴と生態
コウガイビルは扁形動物門に属するヒラムシやウブムシの仲間。
頭部が半月型をしていて、昔の髪飾り、笄(こうがい)に似ていることから名前がついたと言われています。
日本には数種類以上が存在し、陸上の湿ったところ、湿度の高い土壌や石の下、朽ち木の中などに生息しています。
紐状で通常10~30㎝ほどの長さですが、長いものだと1mを超えるものもいるのだとか。
幅は1㎝ほどで厚みは数㎜。
頭部には肉眼では見えない眼点が多く存在していて、中央の腹面には肛門を兼ねた口があります。
消化管がこの口から前後方向に延び、それぞれの先端で袋状になって終わっています。
動きはとてもゆっくりで、見る人が見るとちょっと不気味な存在。
ミミズのようでもありますが、明らかにミミズとは違う生き物です。
扁形動物の中には海や淡水などに生息しているものが多く、陸上性の生物はこのコウガイビルだけになるようです。
体の一部がちぎれてもそこから再生する自切行為にも似ている能力を持っていて、再生能力はとても高いと言えます。
エサは肉食で、ミミズやナメクジ、カタツムリなど、夜に湿ったところを徘徊して捕食。体全体で巻き付いて腹面の口から吻を伸ばして全体を飲み込みます。
その様はとても数ミリ程度の幅の生き物がするとは思えないほど、グロテスクな捕食光景・・・・。
不気味な光景です。
コウガイビルの飼育
コウガイビルは先述しましたが、高い再生能力を持っていますので、言ってしまえば寿命がありません。
永遠に生き続けるわけです。あえて言うなら、コウガイビルがこの世に誕生してから現在までが、その個体の寿命になるわけで・・・・
そう考えると不気味さはどんどんと増してきます。
そんなコウガイビルを飼育するには、通気性があり、隙間のないプラスティック容器が必要です。
通所の虫かごのようなものだと、蓋の網部分から逃げ出してしまいます。
プラスチック容器に網戸のような網を張るなどの工夫が必要です。
コバエなどを繁殖させるための細かい編み目のついた蓋も売っていますので、本格的に飼育したい方はそちらを購入するのもお勧めです。
床材にはミズゴケなどが適しています、腐葉土などの自然下の土よりもミズゴケがお勧めです。
コウガイビルは適度な湿度を必要としますので、ミズゴケの方が管理しやすいと言えます。
シェルター代わりに植木鉢のかけらなどを入れてやると良いでしょう。
最も需要なアイテムは霧吹きです。
湿度がないと、カラカラに干からびて死んでしまいますので、乾燥を防ぐためにマメに霧吹きをしてあげましょう。
エサはミミズやナメクジ、カタツムリなどをとってきて与えると良いでしょう。
食事の時間がコウガイビル飼育の一番の醍醐味。
豪快な食べっぷりを間近で見るために飼育する人が多いようです。
コウガイビルは売っている?
コウガイビルは自分で見つけてきて飼育している人が多いようですが、ネットでも販売している人はいます。
自分で見つけられない人はそちらへ連絡してみると良いでしょう。
コウガイビルのまとめ
コウガイビルは体長1mを超えるものもいる。
湿った場所が好きで、夜行性。
エサを食べる時の様子が豪快でグロテスク。
飼育の際には脱走しない細かい編み目の蓋の容器を用意し、湿度を保って飼育する。
一見何の変哲もない細長い生物ですが、なかなかに不気味な能力を備えているコウガイビル。
興味のある方はぜひ、飼育してみてください!
原始から生き延びている大先輩の!?コウガイビルが色々なことを教えてくれるかもしれません。
(ライター ナオ)