夏の風物詩と言えばセミの鳴き声。
遠くからわずかに聞こえる程度ならば、「ああ、夏だなぁ」とその鳴き声を楽しむこともできるのですが…
問題なのは至近距離で大合唱を始められた時。
暑い上に近くでうるさくされると、余計に暑さを感じてイライラしてしまいますね。
そんな時のために何か対策はないものか…と思い、セミの鳴き声についてまとめてみました。
うるさくてどうにもならない、という時に参考になればと思います。
セミの生態
世界には約1600もの種類のセミがいます。
その中で日本に生息しているのは30種類ほど。
もっと少ないのかと思っていたら、意外と多いのですね!
普段私たちが目にするのは7種類ほどなので、知らないセミの方が多いということです。
活動をするのは6月下旬から9月下旬ごろ。
まさに夏の初めから終わりまで、鳴き声が聞こえだしたら「夏だなぁ」、聞こえなくなったら「秋だなぁ」と季節を感じることができますね。
しかし7月の終わりから8月にかけて、一番暑い時に鳴かれると、暑さが倍増するような気がしてきます。
なぜあんなにもうるさく鳴くのでしょうか?
セミが鳴くのはオスからメスへ、自分の居場所を知らせるための求愛行動なのです。
そのため、メスが鳴くことはありません。
オスはお腹に「腹弁」と呼ばれる発音器を持っており、これを使ってあの大きな鳴き声を出します。
メスにはそもそもこの腹弁はなく、代わりに産卵管があるので、セミの雌雄を見分ける際にはお腹を見ると一発で分かりますよ。
声が大きいオスほど、メスに気付いてもらえる確率が高くなる…セミがうるさいほど大きな鳴き声を出すのも納得ですね。
セミの寿命は短いですから、その間にパートナーを見つけて子孫繁栄をしようと思うと、必死にならざるを得ません。
人間だって、パートナーを見つけようと思ったら自己アピールは大切ですもんね。
鳴き声がうるさい!何か対策はある?
まだ寝ているのに網戸や庭木に張り付いて鳴き続けている、集中したいのにうるさくてできない、などセミの鳴き声はあまりに酷いと公害レベルですよね。
鳴き声の大きさは数値にすると70デシベルから90デシベル。
これは電車が通った時のガード下と同じレベルの騒音です。
いくら心の広い虫好きでもイライラしちゃうレベル。
これに対する策は二通り。
「セミを近づけない」もしくは「音をシャットアウトする」の二択です。
「鳴かせないようにする」というのは不可能なので、選択肢には入りません。
まずは近づけないようにする方法ですが、これには木酢液の散布が有効です。
木酢液とは木炭を焼いた時の煙から採取した液体で、多くの虫はこのにおいを嫌います。
そのため、木酢液を庭木や網戸などのセミが良くとまる場所に散布しておけば、近くで鳴かれるのを防ぐことができるのです。
また、それでも近づいてきたセミには水をかけるのが効果的。
セミは濡れるのを嫌うので、水をかけると一瞬でどこかに飛び去って行きます。
ただ、この方法だとちょっと離れたところで鳴いているセミまではどうすることもできません。
あとは自衛して音をシャットアウトするしかありません。
耳栓、二重窓、防音カーテンなど…。
耳栓はともかく、セミの為だけに窓やカーテンを替えるというのは難しいですよね。
そこは他の音も防げるし一石二鳥と前向きに考えるか、諦めて少々の鳴き声は我慢するかのどちらかです。
セミによって鳴く時間帯が違うので、鳴き声に合わせて自分の生活時間帯を変える…というのも一つの手かもしれません。
セミの鳴き声についてのまとめ
日本人は虫の音で季節を感じる繊細な心を持っていますが、セミの鳴き声はちょっとうるさすぎですよね。
でも逆に鳴き声が全く聞こえないと、夏だって感じが薄れてしまう気がします。
今回紹介した鳴き声対策などを実施して、人間とセミがちょうど良い距離感で付き合えたら、本当に夏の風物詩として楽しむことができますね。
(ライター もんぷち)