みなさん、ミミズの大きさってどのくらいだと思いますか?
普段目にするのは、大きくても十数センチ程度のミミズではないでしょうか。
しかし世の中には、ビックリするほど巨大なミミズがいるんですよ。
テレビの秘境探検系の企画では、かなり巨大なミミズが登場することもありますが、よその国だけの話ではありません。
実は日本にも、「シーボルトミミズ」という巨大ミミズがいるのです。
それではその大きさがいかほどのものなのか、どういったところに生息しているのかなどについて、詳しく見ていきたいと思います。
シーボルトミミズってどんなミミズ?
シーボルトミミズは主に西日本でよく見られる、日本固有種のミミズです。
大きさは20cm~30cm、大きいものだと40cmを超える個体もいます。
40cmのミミズって、もうそれ完全にモンスター。
シーボルトミミズよりも更に大きなミミズもいるのですが、それでも十分「日本最大級」と言うには十分な大きさですね。
ミミズと言うと一般的にピンクや茶褐色をしているイメージがありますが、シーボルトミミズは濃紺色をしており、ちょっと視界の隅に入っただけだとヘビと勘違いしてしまいそうです。
ちょっとメタリックな感じで色だけ見ればカッコイイですが、やはり全体像を見ると気持ち悪い…。
意外と動きも素早いので、うっかり遭遇したら驚いてしまうこと間違いなし。
しかし一方で、釣り人の間ではウナギの釣り餌として重宝されているそうです。
確かに、こんな巨大なミミズを使って釣りをしたら、大きな魚が釣れそう。
名前の由来はフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトという人物名から。
この人物が日本から標本を持ち帰ったことからこの名前が付けられました。
一方、和名では「カンタロウミミズ」とも呼ばれています。
しかしこちらのカンタロウについては、なぜそう呼ばれているのかははっきりしていないそうです。
明らかに人物名だけど、カンタロウという人が見つけたからなんだろうか…。
シーボルトミミズの大移動
シーボルトミミズの特徴の一つに、季節によって住む場所を変えるという習性があります。
春から夏にかけては尾根筋から斜面にかけて散らばって暮らしているのですが、冬がやってくると、すべてのシーボルトミミズは谷底に集まって越冬するのです。
そのため、秋は斜面から谷底に向けて、春は谷底から斜面へ向けて、シーボルトミミズの大移動が行われます。
しかも土の中ではなく地表を移動するので、ミミズが苦手な人から見たらまさに地獄絵図。
斜面や林道の側溝を巨大なシーボルトミミズがうじゃうじゃ動いているんですよ…。
思わず悲鳴を上げてしまいそうです。
シーボルトミミズは害がある?
よく「ミミズにおしっこかけたら局部が腫れた」と言われますよね。
それ自体は迷信というか、汚い手で局部を触らないようにといった教訓が込められているのですが、実際にシーボルトミミズは何か害を及ぼしたりするのでしょうか。
実はシーボルトミミズは、稀に白い粘液を飛ばすことがあるそうです。
この粘液が目に入って、目が腫れてしまったという人もいます。
実際にはまだ研究がすすんでおらず、その粘液の成分や目が腫れたこととの因果関係などははっきりしていないようですが、とりあえずその粘液に触れてしまったら速やかに洗い流してくださいね。
シーボルトミミズ まとめ
この間畑仕事をしていたら、青くメタリックなミミズを発見したんです。
大きさは普通のミミズサイズでしたが、もしかしたら成長途中のシーボルトミミズだったかもしれません。
もしそうだったら、そのうち近くでシーボルトミミズの大移動が見られたりするんでしょうか。
ちょっと怖いけど楽しみです。
(ライター名 もんぷち)