畑の分解者や釣り餌として身近な存在のミミズ。
庭の土を掘り返せば、必ずどこかに一匹や二匹は潜んでいます。
そんな彼らの生態と寿命を知っていますか?
ミミズの特徴と生態
ミミズは環形動物門貧毛鋼に属する動物の総称です。
目がなく、手足もないひも状の動物で、名前のミミズは目が見えない、メメズが転じてミミズになったと言われています。
ミミズの中には頭部や眼を認識できるものもいて、外鰓が発達している種もいます。
体表にはとても小さな視細胞が散在していて、光の方向を感知することが出来ます。
一般的なミミズの体の特徴は、細長く、沢山の体節に分かれています。
体表をよく見ると、体節ごとに頑丈な剛毛が生えていて、この剛毛が機能することで前方へ移動することが出来ます。
体内は体節ごとに隔壁によって仕切られていて、細かい部屋に仕切られた構造は壁が柔らかい材料でできています。
そこには体腔液の水圧をかけることでずいぶんと頑丈にもなり、このことは土を掘るときにも役立っているようです。
血管もあり、背中側と腹側の血管が体幹を操縦しています。
5つの血管がそれぞれ別々の働きをしているのも特徴です。
血管から細胞を移動させ、瞬時に再生する能力を持っていて、かなりの修復能力があります。
呼吸器はなく、皮膚呼吸のみを行っているので、ミミズの太さには限界があるといわれ、そのサイズは2.6㎝ほどです。
雌雄同体で、生殖時期になると二頭の生体が体を逆方向に向けてお互いに精子の交換をし、産卵します。
親と同じ姿の幼生が生まれ徐々に成長していきます。
トカゲのしっぽ切のように、ミミズも自切行為を行います。
敵に襲われる等の強い衝撃を受けた時に、自らの体を切って逃げるという防御方法です。
しかし、この場合前半身から後半身は再生しますが、後半身からは再生が行われず、後半部分は時期に死んでいきます。
ミミズの人間のかかわり
ミミズは先述したように、釣り餌や畑の分解者としての役割があり、昔から人間とのかかわりが深い生物です。
漢方薬では、ミミズの表皮を乾燥させたものを発熱や気管支喘息の発作の薬として用いられます。
観賞魚のエサとしてもよく利用され、他にもカエルやイモリ、サンショウウオ、両生類、節足動物、鳥類など、肉食動物のエサとしても頻繁に利用されます。
日本では食用にすることはありませんが、世界各地で食材として使用されていて、たんぱく質やミネラル、コラーゲン、ビタミンなど栄養価豊富です。
ミミズの寿命
ミミズの寿命は1年程です。
産卵を終えたミミズは冬には命を終えていきます。
ミミズに関するエトセトラ
ミミズは鳴く!?
ミミズは鳴く、と言われることがあります。
地面の下から響いてくる「ジージー」という声が、ミミズの声ではないかと言われているのです。
しかし、実際はその声、ケラの鳴き声で発声器官を持たないミミズが鳴くことはありません。
犬にミミズ!?
ネコにマタタビ、と同じ作用として、イヌに乾燥したミミズの匂!?という話もありますが、これはホントかウソか!!??
マクドナルドのハンバーガーにミミズの肉!?
かつて、マクドナルドのハンバーガーにはミミズの肉が使われているのではないか!?という一種都市伝説のような話が広まったことがあります。
その真偽は定かではありませんが、今日では食用ミミズは非常に高価なものになってしまっていることや、食用でないミミズを使うにしても泥抜きなどの相当な手間がかかる為、牛肉の方が安価になる為、ミミズの肉が使われていることはないはず・・・
ミミズの生態と寿命に関するまとめ
単純な形状をしているミミズは、長生きなのではないか―――という勝手な想像をしていましたが、実はミミズの寿命も他の多くの昆虫同様1年程と意外に短命。
短い命の間に、土の中で多くの仕事をする仕事人ともいえる存在なのでした。
(ライター ナオ)