高校生の頃、部活帰りで帰宅が遅くなった家の玄関先に、電灯に群がる虫を狙った大きなカエルのお出迎えを何度か経験したことがあります。
日常ではあまりお目にかからない大きさに、思わず腰が抜けそうになったことも・・・・
住宅街に現れるあのカエルの種類は一体何だったのでしょう。
日本の大きなカエル
日本で大きなカエルといえば、トノサマガエル、ヒキガエル、ウシガエルがあげられます。
そのうち特にヒキガエルとウシガエルは20㎝ほどの大きさがあり、その存在感たるや半端なし!
それぞれの特徴と生態を見ていきましょう。
トノサマガエル
トノサマガエルは本州・四国・九州に生息しています。
また近年では北海道の一部にも外来固有種として定着しつつあるのだそう。
大きさは10㎝前後。後ろ足が長くて跳躍力に優れているのが特徴です。
オスよりもメスの方が若干大き目で、色はオスは背面が茶褐色~緑色、メスは灰褐色で、背中には明瞭な白線もしくは黄色の線が入っています。
主に昆虫や蛾を捕食しますが、食に貪欲で、口に入るものならば小型のカエルやヘビなども食べてしまいます。
平野部から低山地帯の水田から沼地に棲んでいて、動きはとても敏捷です。
ヒキガエル
日本に生息しているヒキガエルは2種類います。
アズマヒキガエルとニホンヒキガエル。どちらも体長は6~18㎝ぐらいです。
低地から山地の山林や森林内、水田や沼地、そのほかに家の庭先などにも出没します。
ニホンヒキガエルは鈴鹿山脈以西の近畿地方南部から山陽地方にかけて、四国、九州、屋久島などに固有種が生息。
仙台や東京などにも移入しています。
アズマヒキガエルは東北地方から近畿地方、島根県東部までの山陰地方北部に自然に分布しています。
函館や伊豆大島などに移入しているのも確認されています。
色は褐色、黄褐色、赤褐色など様々で、斑点の入っているものや脇に赤い斑点の入っているものなども多くみられます。
成体は特に水辺でなくても生きていけるため、いろいろなところに出没します。天敵はヤマガラシ。
ヒキガエルが防衛のために背中に持っている毒をものともしないのだそう。
ウシガエル
日本では北海道、本州、四国、九州に生息。オスは暗緑色、メスは褐色で、背中のラインはなく、体長は11~18㎝。
沼地や水田、水辺に生息しています。
「ブオーブオー」と牛のように鳴くことから名前が付けられました。
鳴き声は低く大きいので、数キロメートル先まで響き渡ります。
警戒心が強く夜行性。
日本ではカマキリやバッタ、トンボなどを多く捕食しているらしいのですが、口に入るものなら何でも捕食する習性があり、同じウシガエルさえも食べてしまうこともあるのだとか。
世界最大のゴライアスガエル
世界には日本のカエルとは比べ物にならない大きさのカエルがいます。
世界最大のカエルは、カメルーンや赤道ギニアに生息するゴライアスガエル。
背面の色は緑がかった黄褐色で、体長はなんと80㎝で、体重も3kもあるというのだから、人間の赤ちゃん並みの大きさがあるということ。
ここまでくると私たちの知っているカエルの域を遥かに超えちゃっています。
ウシガエルの大きさなんて気にならなくなってしまうほど・・・・・。
エサは昆虫をはじめ、甲殻類や魚類、小さな哺乳類などで、もちろん共食いも!
現地では子供たちのペットとして飼われることもあるのだそう。
日本にも輸入されているらしいのですが、流通することはあまりないようです。
世界は広い!日本のウシガエルにビビっている場合じゃありませんね!!??
私がまだうら若き乙女だったあの頃!?出迎えをしてくれたのはどうやらアズマヒキガエルだったようです。
玄関先で、目が合ったままどちらも一歩も動かなくなった、緊迫の瞬間を懐かしく思い出します。