日本最大級の大きさを誇る「アカギカメムシ」。
その大きさもさることながら、独特なカラーリングと模様も特徴的なカメムシです。
しかしあまり目にしたことがない、という人も多いはず。
一体アカギカメムシはどんなところに生息していて、どんな特徴をしているのか…詳しく見ていきましょう。
アカギカメムシの生態
アカギカメムシは熱帯から亜熱帯地域にかけて分布しており、国内では沖縄本島から八重山諸島にかけて生息しています。
しかし九州や四国、本州南岸でも発見された事例があり、その一部ではすでに定着している可能性もあるそうです。
アカギカメムシには長距離飛行して移動する習性があるのでは、と考えられており、もしかすると、今後は沖縄以外でもアカギカメムシを目にする機会が増えるかもしれませんね。
「アカギカメムシ」という名前の由来は、その赤い体から来ています。
アカギカメムシには集団を作る習性があるので、「気が赤くなるほどの大集団を作る」ということから「アカギカメムシ」という名が付けられたそうです。
こんなに特徴的なカメムシなら、もし洗濯物についていてもすぐに気付いて払い落とすことができますね!
スタンダードな茶色や灰色のカメムシは、気付かずにひっついたまま箪笥に収納してしまうことがよくありますから…。
アカギカメムシと言えば変わった見た目ばかりが目立ちがちですが、じつは興味をそそられる点はその生態にもあります。
じつは彼らのメスは、「子育てをする」習性があるのです。
卵を産んだメスたちは、卵塊の上にまたがるようにして卵を守り、外敵から守るような行動をとります。
それは孵化した幼虫が自力で動き出せるようになるまで続き、高温時には粘液を出して卵を保護する行動も見られたんだとか。
また、抱卵中のメスを他のメスが生んだ卵塊に移動させたりしても、ちゃんと卵を守ってくれるそうです。
こういった亜社会性はハチやアリなどでは普通のことですが、カメムシなど他の昆虫においてはとても珍しいことですね。
アカギカメムシの特徴や見分け方
アカギカメムシの特徴を挙げるならば、まず言及するのはその大きさです。
体長約17㎜~26㎜と、国内に生息するカメムシの中では最大級。
大きいカメムシって、においも強烈そうですよね…。
実際にどうなのかはわかりませんが。
基本的な体色はオレンジ色で、いくつかの黒い斑点があり、斑点の周囲は黄色っぽい色をしています。
ただし黒い斑点や体色には個体差があり、斑点がいくつか無いものもいれば、体色が濃いもの薄いもの、白っぽい物まで様々です。
ただいずれにせよ、特徴的で目立ちそうな姿ではありますね。
人間で言う「肩」あたりの部分は尖っており、小さな棘状になっています。
この部分が大きな突起となっている「ウシカメムシ」ほどではありませんが、これもアカギカメムシの特徴的な部分の一つ。
日本に生息する個体はこの棘がほとんどわからないレベルですが、インドやマレー半島などに生息している個体は、はっきりとした棘があるそうです。
「オオキンカメムシ」とは姿も大きさも似ていますが、アカギカメムシは体にツヤがないことや、斑点の周りが黄色っぽい点などで見分けることができます。
また、肢や頭の一部がメタリックな緑色というのも、アカギカメムシの特徴です。
他にはあまり似ている種もいないので、見分けるのはそう難しくありません。
アカギカメムシについてのまとめ
アカギカメムシは、集団を作ったり卵や幼虫を守ったりと、社会性を持った珍しいカメムシです。
特徴はオレンジ色の派手な見た目と体の大きさ。
沖縄以外ではあまり見かけることはありませんが、沖縄以外でも一部定着しているとも言われており、もしかすると目にする機会もあるかもしれません。
もしも見つけることができたら、とってもラッキーですね。
(ライター もんぷち)