カメムシに対しては強烈な悪臭を放つ虫という印象があるかと思います。

しかし全てのカメムシが非常にくさい臭いを出すわけではありません。キバラヘリカメムシもこうしたカメムシの仲間と言われています。

キバラヘリカメムシの生態

ニシキギ科の植物を好む虫で、多くの場合マユミやニシキギなどの実や葉にいます。

このニシキギ科が熱帯や温帯地域に多く自生していることや、キバラヘリカメムシの性質上暖かい環境に適応しているためこれまで日本でも本州や四国、九州などに分布していました。

 

しかし温暖化の影響もあり北海道でも確認されています。

しかし通常4月から11月ころまで現れるところ、北海道ではもう少し短い期間での活動になっています。

今後温暖化の影響で気温の上昇があればキバラヘリカメムシの活動期間も長くなると考えられます。

おとなしい性格

基本的に葉の上であまり動き回らないカメムシです。

昼行性ですが昼間に見てもじっとしていることが多く刺激を与えると逃げていきます。

 

飛ぶことはできるので葉を揺らしてみると急いで飛んでいくこともあります。

ニシキギ科の植物があればどのような場所でも見られ、公園や庭にも生息しています。

お腹の黄色模様が特徴的

キバラヘリカメムシは体長が2センチ弱ほどあり、やや大きめのカメムシと言えます。

細長く全体的には黒っぽい色をしているため地味な虫に見えるかもしれません。

 

しかし角度を変えてよく見てみるとお腹が鮮やかな黄色をしているのが確認できます。

横から覗いてみると見えます。この特徴は幼虫期に最もよく目立ちます。

 

キバラヘリカメムシの幼虫は脚も短く腹部がむき出しになっているため黄色の部分があらわになっています。

しかし同じ黄色をした植物に乗っていることもよくあるので保護色となり目立ちにくくなっています。

 

また、成虫の脚や触角も特徴的なカラーをしています。

脚は根元から先端にかけて途中までが白くなっていること、そして触角は先端部分のみが赤みを帯びています。

ニシキギ科を好む食性

マユミやニシキギ、ツルウメモドキはニシキギ科の仲間であり、これらの実や葉の上でキバラヘリカメムシが引っ付いています。

幼虫も同様の食性をしており、成虫・幼虫に関係なくこれらの植物に群れていることがあります。

 

実や葉にストロー状の口を差し込むことで食事をしています。

咀嚼して食べているわけではないので汁を吸いこんで栄養補給を行っています。

青りんごのような臭いがする?

外見にも特徴が見られるキバラヘリカメムシですが、臭いが特殊とのことで話題にもなっていました。

なんと青りんごのような臭いがするといった噂です。

もし本当にそのような臭いを放つのであれば不快害虫としての扱いは受けなくなるかも知れません。

最も、見た目に関しては思いっきり昆虫なので何とも言えませんが。

 

実際のところキバラヘリカメムシの臭いはそれほど快適な臭いということでもないようです。

しかし他のカメムシなどと比べれば不快さがあまりないようで、やや青りんごのような臭いも感じられるみたいです。

オオクモヘリカメムシも同様に青りんごのような臭いを出すカメムシと言われていますが、こちらは不快さをふんだんに含んでいます。

キバラヘリカメムシはお腹で見分けがつき、臭いも弱い

一見地味に見えるキバラヘリカメムシですがよく見てみると、黄色いお腹や白い脚、先だけ赤くなった触覚など、部分的な配色の違いで見分けることができます。

また臭いに関しても悪臭とまではいかないようで、個体差もありますが青りんごに近い臭いを放ちます。

興味のある方は一度実際に嗅いでみると良いでしょう。

(ライター yuki_1)