体に棘や角のような部分のある昆虫はたくさんいますが、カメムシの中にもまるで「角」のようなものがある種類がいることを知っていますか?
それが「ウシカメムシ」というカメムシ。
とても特徴的な見た目をしていて、普通のカメムシとは異なるカッコイイ姿をしているんです。
そんなウシカメムシについて、生態や特徴、見分け方などを詳しく見ていきましょう!
ウシカメムシの生態
ウシカメムシは、本州から沖縄にかけて広く分布しているカメムシです。
生息範囲が広いわりに、あまり知名度は無く、そんなカメムシは見たことも聞いたこともないという人も多いでしょう。
出現時期も4月から11月にかけてと、真冬以外は活動しているにも関わらず、不思議ですね。
じつはウシカメムシは珍しい種であり、普段目にすることはほとんどありません。
見つけたらかなりラッキーです。
彼らはアセビ、シキミ、サクラ、フジなどの植物の汁を餌としているため、それらの木の周辺を探せば、見つけられるかもしれません。
このようにウシカメムシは基本的には草食の昆虫ですが、じつは「あるもの」を吸引するという噂があります。
それが「セミの卵」。
実際にそのシーンを目にしている人も多く、完全な草食というわけではないようですね。
セミの産卵跡を見かけると、そこに口吻を刺して中身を吸い出してしまうようです。
そして気になるのがウシカメムシのにおいについてですが、やはりそこはカメムシ。
他のカメムシと同様に、くさいにおいがするようです。
ウシカメムシの特徴と見分け方
ウシカメムシの特徴と言えば、何と言っても胸部左右にある角のような突起です。
これが牛の角のように見えることから、「ウシカメムシ」という名前の由来にもなっています。
なんだか戦隊ものの悪役として出てきそうな感じですね…。
この突起は幼虫時からあり、幼虫時は体が黒いため「まるでデビルマンのようだ」とよく言われます。
上から(背中側から)眺めるのもカッコいいですが、正面から見ると本当に雄々しい牛の角のようで、さらにカッコイイですよ。
一見攻撃や防御に使われそうな突起ですが、これは戦闘のためなどではなく、木の枝のトゲに擬態するためのものだと考えられています。
大きさは8㎜~9㎜と一般的なカメムシに比べるとやや小型。
体色は茶褐色をベースに、細かな白いまだら模様が入っており、体型は角を除いて他のカメムシと大差ありません
名前からは「牛のような白黒模様」を連想しますが、実際に牛に似ているのは角だけですね。
だったら「ツノカメムシ」とか「トゲカメムシ」とかのほうがしっくりきそうな気がしますが…。
そして次に他のカメムシとの見分け方についてですが、これはとても簡単です。
ウシカメムシのように胸部に角のような突起を持ち、かつあの独特な模様をしているのはウシカメムシのみ。
というわけで、他のカメムシと見間違うことはほぼなさそうです。
胸部に突起があり、茶褐色と白の細かなまだら模様のカメムシがいたら、それはウシカメムシだと判断して良いでしょう。
一度見たら忘れられないビジュアルなので、この記事を読んだ人は、次にウシカメムシを見かけたら絶対にわかりますね!
ウシカメムシについてのまとめ
カメムシと言えばくさくてダサイというイメージが強いですが、ウシカメムシはとてもカッコイイカメムシです。
(においは臭いですが。)
胸部にある牛の角のような突起と特徴的なまだら模様は、他に類似している種はおらず、見分けるのが簡単です。
珍しい種のためあまり見かけることはありませんが、一応本州から沖縄まで分布しているので、その気になれば見つけられるはず。
実際に目で見たほうがかっこよさがよくわかるので、興味がある人は探してみてください。
(ライター もんぷち)