木の枝にそっくりな「エダナナフシ」。

動いているところならまだしも、完全に擬態されてしまってはその姿を見つけることはかなり困難です。

 

そしてエダナナフシを含め、ナナフシはどの種もよく似ていて見分けがつきません…。

そこで今回は、エダナナフシの特徴と見分け方について、詳しく見ていきたいと思います!

エダナナフシの生態

エダナナフシは本州から九州・四国にかけて広い範囲に生息しています。

主に日当たりの良い林などに生息していますが、じつは都市近郊の樹上などにも多く生息しているんですよ。

「今まで一度も見たことがない!」という人は、エダナナフシの見事な擬態により、その姿が認知できていないだけかもしれませんね。

エダナナフシはサクラ、カシ、コナラなど様々な樹や植物の葉を食べるので、気になる樹があればじっくりと探してみてください。

ナナフシはメスだけで単為生殖ができる昆虫で、オスがほぼ見つかっていないという種類も珍しくありません。

 

エダナナフシもメスのみでの単為生殖は可能ですが、他のナナフシに比べると、オスも普通に見つかることが多いそうです。

オスとメスの見分け方は後述しますが、もしエダナナフシのオスを見つけても、特に珍しくはないということですね。

 

ちょっと残念…。

しかしもし見つけたのがエダナナフシとよく似た「ナナフシモドキ」のオスだったら、それはかなり貴重です!

エダナナフシとナナフシモドキの見分け方についても、また後述していきますね。

こんなにたくさん!?ナナフシの種類

ナナフシと言われても、特定の姿しか頭に浮かばない…という人は多いはずです。

そのため、中にはそんなにナナフシの種類があるとは思ってもいない人もいるのではないでしょうか。

 

しかし…じつはナナフシは昆虫の中でもその種類が多く、その数はなんと世界中で約2500種類!

日本国内だけでも、18種類のナナフシが存在するのです。

 

ナナフシは擬態の天才ですから、もしかするとまだまだ発見できていない種がいるかもしれませんね。

そんな中からより正確にエダナナフシを見分けられるようにするために…特徴について見ていきましょう。

エダナナフシの特徴と見分け方

さて、ここからはいよいよエダナナフシの特徴について見ていきましょう。

エダナナフシは、まるで木の枝からそのまま足が生えているように見えるほど、木の枝にソックリな姿をしています。

 

大きさは75㎜~95㎜ほどで、メスの方が大型。

なんとなく枯れ枝のようなカラーが多いイメージがありますが、体色は茶色・緑色・灰褐色、またはその中間など、個体によって差があります。

 

ナナフシと言えばどれも似たようなイメージがありますが、じつはよく観察するとそれぞれに違った特徴が良く見えてきます。

しかしエダナナフシは、ナナフシの中でもダントツで無個性(だと個人的には思います)。

 

まぁ擬態を生業とする生き物たちにとっては、個性などないほうが良いのでしょうが…。

国内でよく見かけるのはこのエダナナフシか、よく似た「ナナフシモドキ」が多いでしょう。

 

この二つの見分け方は、「触角」を見ることです。

エダナナフシの触角はとても長いのに対し、ナナフシモドキの触角は短いのが特徴です。

 

ちなみにオスとメスの見分け方については、頭に小さな角のような突起があり尾部が直線的なのがメス。

頭に突起がなく、尾部が広く大きくなっているのがオスです。

エダナナフシについてのまとめ

エダナナフシはよく見ないと木の枝にしか見えないほど、擬態の達人です。

沖縄や北海道などを除く全国に生息しているので、探してみましょう。

 

よく似たナナフシモドキとは、触角の長さで見分けることができます。

もし見つけた際は、じっくりと違いや特徴を観察してみてくださいね。

(ライター もんぷち)