カメムシの中でも最強クラスに臭いと言われているのがオオクモヘリカメムシです。
それは間違って触ってしまうとしばらく手に臭いが残ってしまうほどの強烈さと言われています。
どんな場所に行くとこのオオクモヘリカメムシがいるのでしょうか。
そしてどんな見た目をしていて見分けるにはどこに着目すれば良いのか紹介していきます。
基本情報
オオクモヘリカメムシを一言で表すと、大型で非常に臭いカメムシと言えます。
しかし臭いと言っても常に臭いわけではありません。
他の多くのカメムシ同様刺激を受けることで臭みのある分泌液を放出します。
指で触れるなどして刺激を与えるとカメムシは攻撃されたと認識し、防御のために悪臭を放ちます。
この臭いで敵を追い払おうとしているのです。
オオクモヘリカメムシはこの時の分泌液が他のカメムシよりもさらに臭いということです。
主に本州、四国、九州に分布します。
海外にも生息しており中国やインドでも本種が見られます。
細長く大きな体をしている
細身ではありますが、オオクモヘリカメムシはカメムシの中で大型に分類される種類です。
2センチほどにまで成長するためかなり存在感があります。
体色が全体的に黒っぽい褐色をしていますが、頭部や胸部あたりが緑色をしている特徴があります。
この黒褐色と緑色の境目ははっきりしています。
前翅が黒褐色をしているため全体的にこの体色をしているように見えますが、死後黄色く変色するため少し見た目が違って見えるようになります。
この性質は近縁種でもあるクモヘリカメムシにもあります。
幼虫はしゃもじのような体形をしている
成虫のオオクモヘリカメムシは細長の体形ですが、幼虫期には全く違う体形をしており、さらに体色も異なるように見えます。
胸部付近の幅が狭くなっているのに対して腹部が曲線を描くように幅広くなっているためしゃもじみたいな形になっています。
成虫に近づくにつれて胸のあたりがだんだんと幅広くなっていくことで寸胴の直線的な体形になっていきます。
さらに見た目も、翅の未発達により緑の体色が目立っています。
似たカメムシとその見分け方
クモヘリカメムシは名前からも想像できるように、オオクモヘリカメムシと共通点が多いカメムシです。
しかしオオクモヘリカメムシのほうがやや大きくクモヘリカメムシのほうが体形もより細くなっています。
さらに、クモヘリカメムシは斑点米カメムシとしてれっきとした害虫ですが、食草の違いからオオクモヘリカメムシによる大きな被害はありません。
他にはミナミトゲヘリカメムシともよく似ています。大型であることや体形まで近い特徴がありますが、胸部端が尖っていることで見分けがつきます。
ネムノキが好物
ネムノキを見つけることでオオクモヘリカメムシが見つけられるほどネムノキに依存した食性をしています。
ネムノキは自生しているものに加え人工的な利用も多くされているため色んな場所で見かけます。
塩害に強い性質があるため海岸沿いに植えられていることもあります。
その他様々な場面で活用されています。
オオクモヘリカメムシの他キチョウというチョウの食草でもあり、これによって食い荒らされることもあるようです。
オオクモヘリカメムシは害虫?
果実の汁を吸うことがあり、農業者にとって害虫として扱われることはあります。
しかしオオクモヘリカメムシによる被害はそれほど大きなものとは言えず一般的に危惧すべき害虫ではありません。
多くは臭さからくる不快害虫としての側面が大きいようです。
民家に侵入してくるタイプではないので自分から触りに行かない限り問題となることはないでしょう。
もし細長く大きなカメムシを見かけたらオオクモヘリカメムシである可能性が高いのでむやみに触らないようにしましょう。
(ライター yuki_1)