クモヘリカメムシという名前のカメムシをご存知でしょうか。

農家にとっては天敵といっても過言ではないクモヘリカメムシ。

今回は害虫としての側面の強いクモヘリカメムシについて詳しくお話しします。

クモヘリカメムシの特徴

クモヘリカメムシは台湾、朝鮮半島、中国、東洋区、日本では本州、小笠原諸島、四国、九州、南西諸島に分布しています。

体長は15~17㎜で体色は淡い緑色、背中は茶色で頭部側面から前胸襟状部側面にある黒条紋が入ります。

 

スマートな体形が印象的なカメムシで体色は死ぬと黄色に変わります。

エサはイネ科のイヌビエ、オシヒバ、エノコログサ、メヒシバ、チカラシバ、オガサワラスズメノヒエ、タチスズメノヒエなどの汁です。

害虫としてのクモヘリカメムシ

クモヘリカメムシは斑点米を引き起こす重要な害虫として厄介な存在です。

対策として仲間に危険を知らせるためのカメムシが放つ強烈な悪臭、警告フェロモンを利用した忌避製剤が試されています。

クモヘリカメムシにはこのフェロモンによる忌避行動の効果が現れるのだそう。

ヒメクモヘリカメムシとクモヘリカメムシの見分け方

体長は12~14㎜で体は細長く、一見するとクモヘリカメムシと似ていますが、頭部と前胸背がほぼ同じ長さで体色が全身薄茶色なのでよく見ると見分けることができます。

タイワンクモヘリカメムシとクモヘリカメムシの見分け方

タイワンクモヘリカメムシは台湾、中国、東洋区、南西諸島に分布しているカメムシで体長は15~18㎜。一年中発生し、イネ科の汁を吸汁します。

クモヘリカメムシにある頭部側面から前胸襟状部側面にある黒筋がありません。

オオクモヘリカメムシとクモヘリカメムシの見分け方

オオクモヘリカメムシは中国、インド、スリランカ、日本では本州、四国、九州に分布しています。

成虫の体長は20㎜程の大きなカメムシで全体に多くの部分が艶の無い緑色をしています。前翅は黒っぽい褐色。

 

細長い体をしており、頭部は小さく突き出します。複眼は黒褐色で単眼は赤色をしています。

食草はネムノキで卵は数個ずつまとめて葉裏に産み付けられます。

クモヘリカメムシとは形状がとても良く似ていますが、大きさが全く違うので見分けるのは簡単です。

ヨコヅナサシガメとクモヘリカメムシの見分け方

ヨコヅナサシガメはカメムシ目サシガメ科ヨコヅナサシガメ属に分類され、中国から東南アジアにかけて分布し、日本には球種に移入し、現在は関東地方まで分布を拡げているカメムシです。

幼虫も成虫もサクラ、エノキ、ケヤキ、クワ、ヤナギ、クスなどの大木の樹上で生活します。

成虫の体長は16~24㎜で日本産サシガメ科最大級。

体色は光沢のある黒色で頭部が細長。腹部の縁には白色で各説に大きい黒班を持つ腹部結合板が葉状に拡がり、翅の外側に張り出して反り返り、側縁は僅かに波打っています。

 

腹部結合板の配色は幼虫期では白黒が単純に交互に並びますが、成虫では黒斑が近縁まで達しないのでピアノの鍵盤状になり前翅がはみ出していているので、それが相撲の化粧回しに見えることから名前がついたとされています。

 

体の黒色部は羽化直後の外呼格が硬化する前の段階では鮮やかな赤色をしています。

活動期は春から夏にかけてで、成虫はサクラやエノキなどの高所の梢や葉の上で単独生活をします。

 

産卵は6月頃に150㎝くらいの高さに降りてきて行われ、8月頃孵化します。

幼虫のまま数十から数百匹程度の集団で木の幹の窪みで越冬し、翌春羽化して成虫になります。

 

エサは樹上にいる毛虫やイモムシの類。

クモヘリカメムシとは体色が違うので見分けるのは簡単です。

クモヘリカメムシのまとめ

クモヘリカメムシは台湾、朝鮮半島、中国、東洋区、日本では本州、小笠原諸島、四国、九州、南西諸島に分布している。

クモヘリカメムシは斑点米を引き起こす重要な害虫として厄介な存在

クモヘリカメムシとは形状がとても良く似ていますが、大きさが全く違うので見分けるのは簡単

(ライター ナオ