私たちの身近なバッタトップ3に入る「ショウリョウバッタ」。
しかしあなたが見つけたそのショウリョウバッタ…本当にショウリョウバッタでしょうか?
じつは、ショウリョウバッタによく似た「ショウリョウバッタモドキ」というバッタが存在するのです。
彼らは一体どんなバッタなのか、そしてショウリョウバッタとの違いや見分け方について、詳しく見ていきましょう!
ショウリョウバッタモドキの生態や特徴
ショウリョウバッタモドキは、本州から九州・南西諸島などにかけて広く生息しています。
ただ分布自体はやや局所的であり、生息地域では多く見られるけれど、それ以外ではあまり見られないといった傾向があるようです。
体長は4~5㎝前後と国内で見かけるバッタとしては平均サイズ。
ショウリョウバッタのような細長い体が特徴的で、とてもよく似ています。
体色はほぼ緑色ですが、背中に褐色のラインがあったり、稀に全身が褐色の個体もいるそうです。
ショウリョウバッタモドキの見分け方
ショウリョウバッタモドキは、その名の通りショウリョウバッタにとてもよく似ているバッタです。
パッと見ではとても間違えやすいですが、よく観察すると、その違いが見えてきますよ。
まず、ショウリョウバッタと最も大きく違うのは、体の大きさです。
ショウリョウバッタは日本最大のバッタであるため、大きなメスでは10㎝近くになることもあります。
それに対し、ショウリョウバッタモドキは4~5㎝前後。
どう見ても5㎝以上はあろうかという大きさの場合、それは高確率でショウリョウバッタです。
ただ、ショウリョウバッタもオスはショウリョウバッタモドキとそう大きさは変わりませんし、小さい個体の場合は見分けがつきづらいでしょう。
そこで、ここからは大きさ以外のショウリョウバッタとショウリョウバッタモドキの違いをいくつか見ていきましょう。
頭の形
ショウリョウバッタは頭が長く尖っているのが特徴ですが、ショウリョウバッタモドキはショウリョウバッタほど頭は尖っておらず、幅もあります。
背中の模様
もしも背中に褐色のラインがある場合、それはショウリョウバッタモドキです。
しかしショウリョウバッタモドキの中にも模様がない個体もいますから、「模様がない=ショウリョウバッタ」というわけではありません。
足の長さと跳躍力
ショウリョウバッタに比べ、ショウリョウバッタモドキは足が短いです。
そのため、跳躍力もやや劣り、ジャンプするのは苦手です。
敵からの回避方法
ショウリョウバッタモドキの特徴的な生態と言えば、敵と遭遇した時の回避方法があります。
人間などが近づくと、止まっていた茎や葉に体を寄せるようにぴったりとくっつき、くるくると裏側に回って身を隠すのです。
これはショウリョウバッタモドキ独特の習性なので、これも一つの見分けポイント。
じつは絶滅危惧種のショウリョウバッタモドキ
なんとなくそこら中にいそうなイメージのあるショウリョウバッタモドキですが、じつは地域によってはとても珍しいバッタなのです。
上でも少し触れましたが「いるところにはいるが、いないところにはいない」とされるバッタです。
多くの県で絶滅危惧種または準絶滅危惧種に指定されており、場所によっては滅多に見かけることができません。
ショウリョウバッタモドキについてのまとめ
ショウリョウバッタモドキは、ショウリョウバッタととてもよく似たバッタですが、大きさや頭の形、動き方などで見分けることができます。
もしも「これはもしかして…」というバッタを見つけたら、よーく観察してみてください。
本当にショウリョウバッタモドキだった場合、場所によってはとても珍しくラッキーなことですよ!
(ライター もんぷち)