アオハダトンボというトンボを見たことがありますか。
翅の色は美しく、どこか不気味でもある黒色で思わず目を奪われるトンボです。
今回はそんなアオハダトンボの特徴や見分け方のついて詳しくお話します。
アオハダトンボの特徴
アオハダイトトンボはトンボ目カワトンボ科アハダイトトンボ属に分類されるトンボで、朝鮮半島、中国、ロシアに分布しています。
本州と九州に分布していますが四国では記録がありません。生息地は清流の水辺に限られます。
体長は55㎜で発生時期は5~7月。春の終わりころから夏の半ばにかけて活動しています。
オスの若い個体は黒っぽい翅ですが、成熟すると翅の色が青色~青緑色に輝きます。また、構造色なので見る角度によって微妙に色味が変わって見えます。
また、オスは激しく縄張り争いをする攻撃的な性格。エサは昆虫などを食べます。
幼虫は平地、丘陵地のヨシなどの抽水植物と黒藻などの沈水植物がある河川に生息しています。
アオハダイトトンボの雌雄の見分け方
アオハダイトトンボのオスは翅に金縁色の光沢がありますがメスは無く、逆に雌には翅に白いスポットがあります。
ハグロイトトンボの特徴
ハグロイトトンボはアオハダイトトンボと似ているトンボで、同じカワトンボ科に分類されます。
別名をホソホソトンボともいい、名前のハグロは翅の色がお歯黒に似ているところからきているのだそう。
東アジア、北米に分布し、日本国内では本州、四国、九州に分布しています。
成虫の体長は57~67㎜で後翅長は35~44㎜、トンボとしてはやや大型です。
メスの方がオスよりも若干大きいですがほとんど大差はありません。
翅が黒いのが特徴で斑紋は無く、オスは体色が全体的に黒く緑色の金属光沢がありますが、メスは黒褐色です。
他のトンボのように素早く飛翔したり、ホバリングしたりせず、蝶のようにひらひらと舞うように羽ばたき、その際にパタタタと翅が小さな音を立てます。
どこかに止まって翅を休める際も蝶のように翅を立てた状態で4枚の翅を重ねて綴じる特徴もあります。
ヤゴは体長22~26㎜で体色は淡い褐色。
成虫は5~10月頃まで見られ、特に7~8月に多く見られます。
主に平地から低山地のヨシなどの挺水植物やエビモ、バイカモなどの沈水植物などが茂る緩やかな流れに生息しています。
幼虫は主に夜半から早朝にかけて挺水植物などに定位して6から7月頃に羽化します。
羽化後の若い個体は薄暗い所を好み、水域から離れては椰子の中で生活しますが、成熟すると再び水域に戻り明るい水辺の石や植物などに止まり、なわばりを張ります。
交尾後、メスは水面近くの水中に産卵します。
アオハダトンボとハグロイトトンボの見分け方
アオハダトンボとハグロトンボの見分け方は大きく3つあります。
1つめは体の大きさです。ハグロトンボはアオハダトンボよりも一回り程大きくなっています。
2つめは翅の形。ハグロトンボの翅はほっそりしています。アオハダトンボの方が翅の幅があり、丸みがあります。
3つめはアオハダトンボのメスの翅には白い偽縁紋があること。
そして4つ目はオスは腹部の第9、10節の腹面が白くなっていることです。
アオハダトンボのまとめ
アオハダイトトンボはトンボ目カワトンボ科アハダイトトンボ属に分類されるトンボで、朝鮮半島、中国、ロシアに分布しています。
本州と九州に分布していますが四国では記録がない。
アオハダイトトンボのオスは翅に金縁色の光沢がありますがメスは無く、逆に雌には翅に白いスポットがある。
ハグロイトトンボと間違いやすいが体の大きさや翅の幅、翅の紋様。腹部の色などで見分けることができる。
(ライター ナオ)