日本に生息しているアリとしてはクロオオアリなどが有名で耳にすることもあると思います。

アリ自体珍しい虫ではなくどこでも見かけることができます。

 

しかし種類まで把握していることは少なく、アミメアリという名前もあまり知られていません。

実はよくいるアリの一種ですが、とても変わった生態をしており興味深い生物なのです。

アミメアリの生息域

日本全国でアミメアリは生息しています。国外を見てもアジアには広く分布しており、民家周辺でも見ることができます。

 

体長は3ミリほどで体色は茶褐色から黒褐色です。丸みを帯びた体で光沢も持っています。

湿気のある場所を好み、樹木を徘徊している様子も見られるでしょう。

行列を作って行動している

民家の近くで生息するアミメアリは人間の落とした砂糖や飴などにたかります。

甘いものが好物で、部屋の中でこぼしたとしても放置していると大群がやってくることがあります。

外で見つけるには朽木の下や岩の隙間などを見てみると良いでしょう。

アリとしては特殊な集団行動をする

アリは基本的に集団行動をする性質がありアミメアリもこの例外ではありません。

しかし集団の形成方法が特徴的で他のアリとは性質が異なります。

多くのアリは一か所に留まり、一度作った巣に長く住みます。

 

これに対してアミメアリは餌を探しながら移動して生きていくため決まった巣を持ちません。

集団が分裂することもありますが、新しい家族の形成による分離ではなく、単純に群が大きくなることで分離が発生します。

女王アリがいない

なんとアミメアリには女王アリがいません。

アリの集団生活と言えば女王アリと働きアリのセットで集団生活をしているイメージが強いです。

 

しかしアミメアリはこの女王アリが存在しないという変わったアリなのです。

全員が働き、そして産卵を行うので女王アリでもあり働きアリでもあるような状況です。

明確な役割分担をすることのない社会構成になっています。

オスが少ない

アミメアリは女王アリがいないという非常に変わった性質を持っていますが、さらにもう一つ他とは違う特徴があります。

それオスがほとんど存在していないということです。

実際にはその少数のオスに存在意義があるのかも分かっていません。

 

というのも、アミメアリは単性生殖ができるため産卵のためにオスが必要ありません。

そのためアミメアリのオスはいずれ消えてしまうのか、はたまた裏で重要な役割を担っていることが判明する日が来るのかも知れません。

 

しかしアミメアリのこうした性質は今後種族全体に影響を及ぼしてくるかも知れません。

オスが淘汰されてしまった種族は同一の遺伝子が引き継がれてしまうことで環境変化に対する適応能力が低いとも考えられています。

そのため生息地の環境が大きく変化した時に生息数が激減することもあり得ます。

害虫と扱われることもある

上述の通り甘いものが好きで、これはお菓子のようなものに限らず果物などにも群がってきます。

自然界で糖分を摂取できるものと言えば樹液などがあります。

 

森林に生える樹木に集まるのであれば何も問題はありませんが、民家にアミメアリの集団が入ってしまったり育てていた果物を食べられると駆除をしなくてはなりません。

そのため害虫として扱い対策を施していくことになります。

変わった社会性であることがアミメアリの特徴

ここまでをまとめると、アミメアリの持つ大きな特徴は女王アリがいないこととオスが機能していないということが言えます。

一つの巣で永続的に生活しないのもアミメアリならではの性質です。

 

これだけ変わった性質を持っていますが、日本では定番とも言えるアリです。

通常のアリ社会と異なるものを形成する理由には日本の環境も関係があるのかもしれません。

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