オオアオイトトンボというトンボを見たことがありますか。
名前の通り、大きくて、複眼が青いイトトンボでとても綺麗です。
今回はそんなオオアオイトトンボの特徴と見分け方についてご紹介します。
オオアオイトトンボの特徴
オオアオイトトンボはアオイトトンボ科アオイトトンボ属に分類されます。
日本では北海道南部から九州まで普通に見られるイトトンボで、主に平地や丘陵地の水際の木立のある池沼や湿地に生息しています。
体長は41~51㎜、羽化殻の大きさは約30㎜で金属光沢のある緑色をしています。
産卵は水面に多いかぶさった木の樹皮に行います。産卵後は外からもはっきりとわかるようなコブができ、集中的に産み付けられた場合は樹木が弱ることもあるほどです。
ほとんどのトンボは益虫扱いされますが、オオアオイトトンボは害虫とされることもあります。
産卵はかなり高い位置にある枝にされることもあり、見上げたところに瘤があることも。
孵化した幼虫が上手く水面に落ちるようなところを選んで産卵されますが、ヤゴは多少水場から離れていても時間をかけて跳びはねて水面に辿りつくことができるのだそうです。
春に孵化した幼虫は落ち葉の間に潜り込んだり、岸辺の植物や水生植物の茎や葉に掴まっていたりします。
5月中旬から羽化しはじめて11月頃まで見られます。木陰のある水辺によく発生します。
アオイトトンボの雌雄の見分け方
オスは成熟すると翅の付け根と腹部の先に白粉が生じたり、個体によって青い複眼のあるものもいます。
メスはゴツイ産卵管を持っていて腹部先端は著しく太くなるのが特徴です。
両者の体の特徴の違いで見分けることができますが、他にも
オオアオイトトンボとアオイトトンボの見分け方
オオアオイトトンボとアオイトトンボを見分けるには胸部のいくつかのポイントを注意して見る必要があります。
翅胸部の金属光沢部は、オオアオイトトンボは第二側縫線に届きますがアオイトトンボは途中で止まっていることが多いです。ただしメスの個体で例外的なものはいます。
中胸部前側下板はオオアオイトトンボには金属光沢部があります。
翅胸部の金属光沢部はオオアオイトトンボでは前方の幅が狭く後方に広がっているのに対しアオイトトンボではほぼ同じ幅です。
また、アオイトトンボのメスは胸部周辺に白粉を吹きますが、オスにはそのような特徴がアなく、肩稜線・背隆線が目立ちます。
もう一つ、腹部にも注目してみます。
オオアオイトトンボの各説はアオイトトンボよりも長いのですが、特に第8節は他の節に比べても長いのが特徴。
またオオアオトンボの第10節は正方形に近いですがアオトンボの10節は腹部軸方向に小さい長方形になっています。
尾部下付属器の部分はオオアオイトトンボの場合短く曲がっていますが、アオトンボでは長く直線状になっています。
尾部上付属器は先端の把持部はアオトンボの方が、曲がりが強いのも特徴。
オオアオトンボでは腹部ラインの延長で伸びますが、アオトンボでは尾部先端がやや下向きになります。
アオイトトンボとオオアオイトトンボはヤゴの形状も非常によく似ています。
産卵管などの大きさで区別することが多いようですが、ヤゴの大きさもオオアオイトトンボの方が若干大きめ。
発生時期も少しずれます。春の早い時期と8月ギリギリまで見られるヤゴはアオイトトンボです。
オオアオイトトンボのまとめ
オオアオイトトンボは北海道南部から九州まで分布、主に平地や丘陵地の水際の木立のある池沼や湿地に生息している。
樹皮下に産卵するのが特徴。
アオイトトンボとオオアオイトトンボは似ているので見分け方が難しい。
(ライター ナオ)