スコットカメムシという名前のカメムシをご存知でしょうか?
見た目にはあまり違いがなくても、カメムシにも色々な名前がついているわけで・・・。
今回はお洒落な名前のついたスコットカメムシについて詳しくお話しします。
スコットカメムシの特徴
スコットカメムシはアジアに広く分布し、日本では北海道と本州に分布し、山地に多く生息しています。
体長は約9~11㎜で暗褐色~藍緑色で銅色光沢があり、背面中央に白紋があります。翅が長く、先端は腹部よりも突出しているのが特徴です。
小さいカメムシですが刺激を与えた時の臭いは強烈デス。
ケンポナシ、ヤマハンノキ、ミズナラ、ブナ、シラカンバ、タラノキなど色々な樹木につきます。
年に1回発生し、成虫で越冬します。
メスは初夏に産卵し、寄主植物の葉や茎上に1卵を産み付け、卵は灰白色で蓋つきの茶碗型をしていて直径は1㎜ほど。幼虫は黄褐色で背面と体側に多数の長剛毛があり、昆虫や昆虫の卵を捕食して成長します。
新成虫は8~9月に発生し、10月に集合し交尾をします。
交尾を終えた成虫は晩秋の晴天温暖な日に一斉に飛び立ち越冬場所を探します。
日当たりの樹木の幹や穏やかな建物の外壁面に飛来し、わずかな隙間を見つけて家屋内に潜り込み越冬します。
ツマジロカメムシとスコットカメムシの見分け方
ツマジロカメムシは北海道、本州、四国、九州に分布し、都市近郊の雑木林などに生息しています。
体長は10㎜前後で背中の真ん中と白班と腹部の両縁の点線が目立つカメムシで、体色は黒い紫色で光沢があります。
発生時期は4~10月でキイチゴ、クヌギ、キリ、フジ、ミズナラ、ノリウツギ、ニワトコなど多くの植物に寄生、初夏から夏にかけて産卵します。
幼虫は昆虫の卵などを食べる肉食性と言われています。
幼虫の時から光沢があり綺麗な体色をしていて、カメムシの幼虫では珍しいタイプです。
スコットカメムシとの見分け方は幼虫時代の体色の有無が最も簡単な方法。成虫になっては微妙な食性の違いや生息場所など総合的に判断するしかないようです。
スコットカメムシという名前
スコットカメムシなんて、ちょっと聞くととてもハイカラな洒落たカメムシを想像してしまいますが、見てみると実はそれほどおしゃれとは言い難い地味なカメムシ。
スコットはイギリスのカメムシ学者、J.スコット博士からとった名前なのだとか。
害虫としてのスコットカメムシ
スコットカメムシは不快害虫や悪臭外注、園芸害虫として扱われます。
晩秋に多くの成虫が集団で家屋に襲来し、強烈な悪臭を放つ不快害虫で、ホテルなどでは料理に入って食べられなくなるという被害や風呂に入って悪臭がつくという被害、また夜に蒲団に侵入して不眠に刺せるという被害などが問題になります。
洗濯ものなどにも悪臭と共に紙魚をつけて汚染し、越冬から覚める春も被害が起こります。
北海道、東北北部で最も被害が多く、ツマジロカメムシやクサギカメムシなどと混ざって家屋に侵入していきます。
スコットカメムシのまとめ
スコットカメムシはアジアに広く分布し、日本では北海道と本州に分布し、山地に多く生息している。
名前のスコットはイギリスのカメムシ学者、J.スコット博士からとっている。
体長は約9~11㎜で暗褐色~藍緑色で銅色光沢があり、背面中央に白紋があるのが特徴。
スコットカメムシは不快害虫や悪臭外注、園芸害虫として扱われる。
スコットカメムシとツマジロカメムシはよく似ていて、見分け方は幼虫時代の体色の有無。
(ライター ナオ)