水生昆虫たちの活動が活発になる5月。

昆虫たちの生命のドラマも始まりますが、皆さんはタガメとコオイムシ、タイコウチといった水生昆虫たちを見分けることができますか?

 

関西人と一括りにしても、中身は関西にも色々あるわけで・・・・水生昆虫の世界も実は色々。

今回はタガメに似た虫をまとめてみました。

コオイムシ

コオイムシはカメムシ目コオイムシ科に分類される水生昆虫の一種で中国、朝鮮半島、日本全国に分布し、平野部の水田や浅い掘り、流れのゆるい用水路やため池等、水深数㎝~数十㎝の水草が茂る日当たりの良い水域に生息しています。

成虫の体長は17~20㎜で体色はやや薄い褐色。わずかに雌の方が大きい傾向にありますがほとんど差はありません。

水中での呼吸は腹部と翅の間に保持した気泡で行います。

 

気泡中の酸素分圧が生息水域の溶存酸素の酸素分圧を下回ると水中の酸が気泡中に、気泡中の二酸化炭素分圧が生息水域の溶存二酸化炭素の二酸化炭素分圧を上回ると気泡中の二酸化炭素が水中に移動する仕組みになっているので、実際に空中から補給した酸素量よりも長い潜水が可能と言われています。

 

前肢は横に拡がり、先端には二対の爪がある鎌状をしています。

魚類、モノアラガイ、他の昆虫などの動きに反応し、カマキリのように肢を振り上げ、縦に振り下ろして相手を押さえつけ、捕獲すると口針から消化液を送り込み、溶けた肉質を吸汁する体外消化を行います。

死骸や乾燥したものなどの動きの無いものでも貪欲に口吻を突き立てて溶解させ吸汁します。

タイコウチ

タイコウチはカメムシ目タイコウチ科に分類される水生昆虫の一種で北海道を除く日本全国に分布し、水田などの浅い水域に生息しています。

成虫の体長は30~35㎜で体色は褐色。尻に長い呼吸器を具え、これを水面に出して獲物を待ち伏せします。

肉食性で鋭い前肢で魚類、他の水生昆虫などを捕らえ、口から消化液を送り込んで溶けた肉質を吸入し、体外消化を行います。

産卵期は5~8月でメスは水辺の土、コケに十数個の呼吸糸を持つ卵塊を産みます。

孵化した幼虫は2ヶ月で5階の脱皮を行い成虫となり、11月頃に陸上及び水中で越冬します。寿命は2~3年程。

手で掴むと脚を縮めて死んだふりをします。

コオイムシとタガメの見分け方

タガメはコオイムシ科でコオイムシとは同じ分類になり、コオイムシと比較されることも多い水生昆虫です。

しかし、両者には体長に圧倒的な差があり、コオイムシはタガメに比べると大分小型です。

タガメの体長は50㎜以上ありますが、コオイムシは20㎜あれば大きい方。この違いは一目瞭然です。

 

生息環境の減少でコオイムシもタガメも見かける機会は少なくなっていますが、どちらかというとタガメよりもコオイムシの方が生息数は多く、見る機会も多いのではないかと考えられています。

 

ただし、コオイムシは北海道には生息していません。

また、最大の特徴は名前にもあるコオイムシの子負い。メスはオスの背部に卵を産み付け、オスは産み付けられた卵を持ったまま移動するという習性からついた名前ですが、背中に卵を背負っていたら、それは間違いなくコオイムシです。

タイコウチとタガメの見分け方

タイコウチはタガメとよく間違えられますが、タガメの方が圧倒的に大きさが違い迫力があります。

また、呼吸器の長さもタガメの方が長く突き出しています。

 

体色は個体差もあり判別は難しい面もありますが、タイコウチはどちらかというと枯葉のような色、タガメは光沢のある黒色です。

もししばらく飼育し、生態を観察できるような環境にあるのなら、じっくりと両者を見比べてみてください。

 

タガメは水中のギャングという別名もあるほどエサなどに対して果敢に攻撃していきますが、タイコウチはそれほど積極的ではありません。自分の体長よりも大きなものに対して積極的に向かっていくようなことがあれば、それは間違いなくタガメです。

 

また繁殖まで観察できるなら、産卵数でも見分けることができます。

タイコウチは一度の産卵で十数個の卵しか産みませんが、タガメは一度に60~100個の卵を産みます。

人が触ると死んだふりをするのはタガメです。

(ライター ナオ)