チャバネアオカメムシという名前のカメムシは見たことがありますか?

果樹を育てた経験のある人なら憎き名前!かもしれません。

今回は人間にとって結構な害虫であるチャバネアオカメムシについて詳しくお話ししていきます。

チャバネアオカメムシの特徴

チャバネアオカメムシはカメムシ科カメムシ亜科アオカメムシ属に分類され北海道から南西諸島まで分布しています。

体長は10~12㎜程で緑色の体色に茶色の翅をもつカメムシ。草木の葉上でよく見られ、緑色の体色と翅の茶色のコントラストが綺麗です。

 

頭部が尖っていて胸部は左右に張りだし、翅をたたんだ腹部は楕円形になり次第にすぼまっていきます。

頭部は三角形で基部の両端に丸くて可愛らしい複眼があります。触角は細長く、口器は針状で覆面に折りたたまれ、胸部は場広く両端は丸く尖っています。

 

成虫で越冬し、成虫の越冬場所は家屋内や雑木林などの落ち葉下。越冬下成虫は春先に周囲の灌木などで過ごし、春から初夏はかんきつ類やリンゴ、ナシ、柿などの果樹の開花期に飛来し主に蕾を加害していきます。

 

花の時期が終わるとキリやクワ、ヤマモモなどを渡り歩きながら生活し、6月下旬頃にスギ、ヒノキに移動してそこで産卵を行います。

産卵は食草となる葉の上に数十個の卵を並べてくっつけるように産みます。

 

卵は楕円会でてっぺんには蓋があり、幼虫は蓋を押し上げて出てくるとしばらくは卵塊の周辺に集まって過ごし、やがて採食の為に移動しますが、この時は集団のまま移動することがおおく、次第に分散していきます。

幼虫は初めは黒色ですが脱皮を重ねると次第に緑っぽくなります。スギ、ヒノキの果実をエサとして成長し、7月下旬から10月頃に新しい成虫が誕生していきます。

チャバネアオカメムシの害

チャバネアオカメムシの害は春季から初夏にかけての若芽やつぼみ、幼果期と果実の肥大成長の終了した時期から収穫までの2つの時期になります。

若い芽や枝の加害は枯死する可能性もあり深刻です。また幼果は加害されるとほとんど落果してしまい、しないものは奇形果となります。

チャバネアオカメムシの対策

チャバネアオカメムシのオスは集合フェロモンを放出することが知られています。

このフェロモンはカメムシの密度が高くなるにつれて放出量が増えることもわかっており、寄生量の多いと頃にはますます飛来するカメムシが多くなることになります。

防除は殺虫剤で行います。発生の多い年は残効性の長い殺虫剤を選択するようにするのがおすすめです。

ヒメチャバネアオカメムシとチャバネアオカメムシの見分け方

ヒメチャバネアオカメムシは本州、四国、九州、南西諸島に分布し、体長が7.5~9.5㎜程のカメムシ。本州でも西日本に分布の中心がある南方系のカメムシとも言えます。

生息地ではネズやアセビなどの植物がみられますが詳しい生態はまだわかっていません。

チャバネアオカメムシにそっくりですが、体長が小さいことと前翅の色がやや灰色味を帯びていることで見分けることができるとされています。

 

またよく見るとチャバネアオカメムシは前胸の側線に暗褐色の線がありますがヒメチャバネアオカメムシには無く、更にヒメチャバネアオカメムシの小楯板の先端は丸く若干反り返っているようにも見え、そんなところも見分けるポイントになるかもしれません。

更に分布で言うと沖縄などの南方にはヒメチャバネアオカメムシが多く本州にはチャバネアオカメムシが多いのも特徴です。

チャバネアオカメムシのまとめ

チャバネアオカメムシは北海道から南西諸島まで分布し、体長は10~12㎜程で緑色の体色に茶色の翅をもつカメムシ。

果樹などの農業害虫や不快害虫として知られている。

ヒメチャバネアオカメムシとの見分け方は体の大きさが大きいことや前翅の色が茶色いこと。

(ライター ナオ)