ツチスガリとは、ツチスガリ属に分類されるハチの一種です。

漢字で「土棲蜂」と表記されるように土の中を棲み家とする性質を持っています。

このようなツチスガリの生態や、見た目、巣の特徴などまとめていきます。

ツチスガリの生態

ツチスガリは日本中に広く分布しており、周辺のアジアに限らずヨーロッパでも生息しています。

特徴を簡単にまとめると、狩りバチであること、土の中に巣を作ること、そして腹部にくびれと黄色の帯を持っていることが挙げられます。

 

狩りを行い他の昆虫を捕獲するため毒針も持っています。

しかしスズメバチに代表されるような危険なハチと言うわけではなく、体も小さいため刺されることによる心配はあまりありません。

黄色の帯が特徴的

体長は1㎝前後と、小型から中型のハチと言えます。

全体的に体色は黒っぽく、頭部や胸部、脚などに小さな横紋が入っています。

 

しかしツチスガリを見分けるためには腹部や体の節を見るのが一番簡単です。

腹部には鮮やかに目立つ黄色の帯がくっきりとカラーリングされています。

腹部を繋ぐ節はくびれておりスッキリした体形をしています。

食性について

表面の硬い甲虫を獲物とし、よく狩りが行われます。

ゾウムシやハムシ、タマムシなどが餌になります。

 

また同じハチでもコハナバチやヒメハナバチなどを獲物と認識し狩りを行います。

狩りの際は、脚や顎を使って相手の体を固定し、お尻の針で刺します。

 

このとき神経系の毒を体内に注入することで麻痺させることができます。

体の自由を奪われた獲物は生きたままツチスガリの巣まで運ばれます。

 

生きたままにすることで新鮮な状態で食べられるようにしています。

しかも巣に運ばれると、この獲物は卵を産み付けられ、産まれてきた幼虫の食料とされてしまいます。

 

ツチスガリはこうした狩りをする性質を持っていますが、花に興味を示さないというわけではありません。

花粉を集めて養分にするといった行動もされているようです。

営巣方法について

ハチの巣と言えば木や軒下にぶら下がったものをイメージされるかもしれません。

しかし実際にはそのような巣を形成するハチは一部です。

 

巣本体の外見はイメージに近いかもしれませんが、オオスズメバチでさえ目立たない場所を好み、隠すようにして営巣します。

ツチスガリの巣は、さらに隠すようにして作られます。

 

巣は土の中に作られ、表面上に見えるのは出入口の小さな穴だけです。

ツチスガリの体長は1㎝ほどなので、これと同程度の穴が開いてあるのみで、巣を発見することは容易ではありません。

 

しかし運動場のような、平坦で開けた場所に作るため飛んでいるツチスガリを追いかけていけば中に入っていく様子を確認できるかもしれません。

内部が枝分かれするように構成され、アリの巣に近い形になっています。

枝分かれした先には部屋が設けられ、安全に幼虫を育てていくための環境が整えられています。獲物はこの各部屋に運ばれた後卵をうえつけられます。

同じように巣を作るコハナバチ

ツチスガリと共通点も多い小型のハナバチに、コハナバチというハチがいます。

このコハナバチが作る巣はツチスガリととても似ています。同じような場所に同じような出入り口を作っています。

 

しかし見た目や行動内容の違いから見分けることが可能です。

コハナバチは狩りを行わず花の蜜や花粉を採集し食事にしています。体の色も全体が黒褐色をしていて地味な色合いになっています。

ツチスガリは巣の場所や帯の色で見分けられる

コハナバチは生活環境や巣が似ています。

しかしツチスガリのほうが外見に特徴があり、特に帯のように色づいた腹部を見ることによって見分けもさほど難しくありません。

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