ハグロトンボは綺麗な黒色の翅をしたトンボです。
キラキラした水面に止まっている姿は実に美しく、絵になります。
今回はハグロトンボについて詳しくお話しします。
ハグロトンボの特徴
ハグロトンボは東アジア、北米に分布し、日本国内では本州、四国、九州に分布しています。
成虫の体長は57~67㎜で後翅長は35~44㎜、トンボとしてはやや大型です。
メスの方がオスよりも若干大きいですがほとんど大差はありません。
翅が黒いのが特徴で斑紋は無く、オスは体色が全体的に黒く緑色の金属光沢がありますが、メスは黒褐色です。
他のトンボのように素早く飛翔したり、ホバリングしたりせず、蝶のようにひらひらと舞うように羽ばたき、その際にパタタタと翅が小さな音を立てます。
どこかに止まって翅を休める際も蝶のように翅を立てた状態で4枚の翅を重ねて綴じる特徴もあります。
ヤゴは体長22~26㎜で体色は淡い褐色。
成虫は5~10月頃まで見られ、特に7~8月に多く見られます。
主に平地から低山地のヨシなどの挺水植物やエビモ、バイカモなどの沈水植物などが茂る緩やかな流れに生息しています。
幼虫は主に夜半から早朝にかけて挺水植物などに定位して6から7月頃に羽化します。
羽化後の若い個体は薄暗い所を好み、水域から離れては椰子の中で生活しますが、成熟すると再び水域に戻り明るい水辺の石や植物などに止まり、なわばりを張ります。
交尾後、メスは水面近くの水中に産卵します。
かつて普通に見られていたハグロトンボですが生息環境の減少によって個体数が減っています。
東京では是t滅危惧種Ⅰ類、青森では絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。
アオハダトンボとハグロトンボの見分け方
アオハダトンボとハグロトンボの見分け方は大きく4つあります。
1つめは体の大きさです。ハグロトンボはアオハダトンボよりも一回り程大きくなっています。
2つめは翅の形。ハグロトンボの翅はほっそりしています。アオハダトンボの方が翅の幅があり、丸みがあります。
3つめはアオハダトンボのメスの翅には白い偽縁紋があること。
そして4つ目はオスは腹部の第9、10節の腹面が白くなっていることです。
カワトンボ科のトンボとの見分け方
ハグロトンボと同じような形態をしたカワトンボの仲間は沢山います。しかしハグロトンボは翅が黒いことで見分けることができます。
ハグロトンボの名前と由来
ハグロトンボは別名をホソホソトンボ、ゴクラクトンボ、ホトケトンボ、カミサマトンボともいい、名前のハグロは翅の色がお歯黒に似ているところからきているというのは想像のつくところですが、他の呼び名のゴクラクトンボやホトケトンボ、ホソホソトンボはどこからきているのでしょう。
ハグロトンボの若い成虫は羽化した水辺を離れ、竹やぶや林の中で暮らし、古い墓地などにも現れます。
薄日の中で黒い翅を静かに開いたり閉じたりしている姿は神々しく見え、その様子からホトケトンボ、カミサマトンボ、ゴクラクトンボなどと呼ばれるのだそうです。
ホソホソトンボはその名前の通り細くて華奢な様子からきていると考えられます。
ハグロトンボのまとめ
ハグロトンボは東アジア、北米に分布し、日本国内では本州、四国、九州に分布。
成虫の体長は57~67㎜で後翅長は35~44㎜、トンボとしてはやや大型。
メスの方がオスよりも若干大きいですがほとんど大差はありません。
アオハダトンボとハグロトンボの見分け方は大きく4つ。
ハグロトンボの仲間の中でハグロトンボを見分けるのは翅の色が黒いので簡単。
ハグロトンボは別名をホソホソトンボ、ゴクラクトンボ、ホトケトンボ、カミサマトンボともいう。
(ライター ナオ)