沢山いるコガネムシ1種、ヒゲコガネというコガネムシをご存知でしょうか?
まるでヒゲのような触角が特徴のコガネムシ、ヒゲコガネについて詳しくお話していきます。
ヒゲコガネの特徴
ヒゲコガネは昆虫綱甲虫目コガネムシ科コフキコガネ亜科に分類される昆虫で、本州、四国、九州に分布し、琉球諸島、朝鮮半島、中国の記録もあります。河原や海岸の砂地に生息、ヤナギなどの木に多く集まります。
体長は31~38㎜で身体は茶褐色で上翅は白色の小毛斑が一面に散らされ、前胸や頭にも白色毛が多くなっています。
成虫は7月下旬から8月中旬の夏ごろに出現し、夜間は灯火に飛んできます。
ヒゲコガネの雌雄の見分け方
ヒゲコガネの雌雄は触角の長さで見分けることができます。
オスの触角は10節、触覚片状部が7節あり、残り3節の4倍の長さがあるのが特徴です。
一方メスはオスよりも触角が短く10節で片状部は5節しかありません。
コフキコガネ亜科のコガネムシ
ヒゲコガネの属するコフキコガネ亜科のコガネムシでヒゲコガネと見分けがつきにくいコガネムシはいません。
独特の模様をヒゲコガネは一目で見分けがつくと言っても過言ではないのですが、せっかくなのでコフキコガネ亜科のコガネムシたちをご紹介しておきます。
コフキコガネ
コフキコガネはコガネムシ科コフキコガネムシ亜科に分類され本州、佐渡島、伊豆諸島に分布し、海岸から山地までの畑地や芝地に生息しています。
体長は25~31㎜程で上翅が粉を吹いている様に見え、背面は黄灰色の短い剛毛で覆われています。
メスの触角は小さいですが、オスは触覚の片状部が大きく発達していて、日中は樹上で広葉樹の葉を食べ、夜間は灯火によく飛来します。
エサはコナラやクヌギなどの葉です。
幼虫は畑や芝地に棲んで、木や草の根を食べ時には被害を与えるネキリムシとしても知られていますが野菜などの植物に関しての報告はありません。
コフキコガネは京都で絶滅危惧種に指定されているほど生息数が減っている昆虫。
コフキコガネは名前の通り上翅に粉を吹いたようになっているのでヒゲコガネとは簡単に見分けることができます。
クロコガネ
クロコガネは北海道、本州から九州まで広く分布しているコガネムシです。
体長は17~22㎜で体色は黒色でやや鈍い光沢、点刻があり、上翅には縦隆条があります。
光沢が鈍く前胸背の点刻が荒く明瞭で、前胸背前縁に目立った毛はありません。
クリイロコガネ
クリイロコガネは本州、四国、九州に分布し茶褐色で隆条がなく滑らかな上翅をもったコガネムシ。
体長は18~22㎜で発生時期は5~8月。成虫はクヌギなど広葉樹の葉を食べ、幼虫は土中で植物の根を食べます。
ビロウドコガネ
ビロウドコガネは北海道、本州、四国、九州に分布しているコガネムシです。
体表にビロードのような柔らかい感触があり、体色は黒色~暗赤褐色。上翅には細かな縦筋が入ります。
発生時期は4~10月。
林縁や草原などで見られ、幼虫は地中で植物の根を食べて育ちます。
オオフキコガネ
オオフキコガネは本州、四国、九州に分布しています。
体長は25~32㎜、発生時期は5~8月で体色は暗赤褐色で背面に灰白色の細かい毛が生えた大きなコガネムシです。
オスは触覚がよく発達していて河原や海岸付近でよく見られます。夜は灯火に飛んできます。
幼虫は土中で草や木の根を食べて育ちます。
ヒゲコガネのまとめ
ヒゲコガネは触覚が鬚のように長いコガネムシ。
メスよりもオスの方が触角が長いのが特徴。
同じコフキコガネ亜科に分類されるコガネムシとは簡単に見分けることができる。
(ライター ナオ)