よく鳴き、よく飛ぶヒナバッタ。
隠れるのも上手な万能!?バッタのヒナバッタについて詳しくご紹介します。
ヒナバッタの特徴と生態
ヒナバッタはバッタ目バッタ科に分類される小型のバッタ。
乾燥した草原、特に野芝の生えているような環境に好んで生息していますが混生するトノサマバッタやクルマバッタなどに比べると草原の真ん中よりも灌木や藪に近接した位置にまとまって見られる傾向にあります。
体長はオスが19~23㎜でメスは25~30㎜。北海道から九州にかけて分布し、山地から平地までの日当たりの良い草原に広く生息しています。
艶の無い褐色で腹部の黒い縞模様が目立ちます。濃褐色の紋を不規則に散布していて前胸背にはっきりした「く」の字状の細線が入ります。
乾燥に弱く、水分を頻繁に摂取し、十分に水分がとれないと半日程度、時には数時間で死んでしまいます。
年に2回、6月頃と9月頃に成虫が現れ、卵は1ヵ月ほどで孵化し、秋に生まれた卵はそのまま越冬します。
成虫はイネ科の草本を主食とし、死んだり弱って動きの鈍くなった仲間を積極的に食べる肉食傾向を持ちます。
翅と後脚を擦り合わせてジキッジキジキジキッと鳴きます。
敏感で敏捷、飛距離はあまりないものの頻繁に飛翔するので捕まえにくいバッタでもあります。
ヒロバネヒナバッタとヒナバッタの見分け方
ヒロバネヒナバッタは朝鮮半島、日本では北海道から九州まで広く分布し、低山や丘陵地の林縁部の低い草地に生息しているバッタです。
体長はオスが23~28㎜、メスが25~30㎜でオスは黒味が強く、腹部の後方節が赤くなります。触角が長く、前翅の前節が凸型に張りだします。
前翅に後ろ肢をこすり合わせて良くない、音程やリズムを変えながら長時間鳴くこともあります。
ヒナバッタは「くの字」の模様が入らない点で見分けることができます。
クルマバッタモドキとヒナバッタの見分け方
クルマバッタモドキは上翅にX字に見える白紋があります。ヒナバッタは白紋の「く」の字ですからその点で見分けることができます。
ハネナガクモマヒナバッタとヒナバッタの見分け方
ハネナガクマモヒナバッタは山岳地帯の高所に分布しているヒナバッタです。本州の高山草原や高層湿原に分布し、山地によって幾つかの亜種に分けられています。
前胸背の「く」の字の模様が入らないことと生息域の違いなどで見分けることができます。
タカネヒナバッタとヒナバッタの見分け方
タカネヒナバッタは本州に分布し山地から亜高山に生息しています。
オスの翅は長いですがメスは腹部の3分の2までの長さがあり、日当たりの良い草原に普通に見られます。
オスは体長16㎜でメスは18~21㎜。7~10月にかけて発生します。
前胸背にくの字の模様が入らないことで見分けることができます。
マダラバッタとヒナバッタの見分け方
マダラバッタは体長28~35㎜程のバッタで後頸節が赤・青・黒の班模様になっていて翅にも特徴的な班模様が入ります。
主に乾燥した草がまばらな草原に生息し、動作は非常に素早く、敏感で捕獲しにくいバッタの一種でもあります。
オスはメスの側で求愛の時に発音することが知られています。
ヒナバッタとは前胸背の模様の違いで見分けることができます。
ヒナバッタのまとめ
ヒナバッタは艶の無い褐色で前胸背にはっきりしたくの字状の細線が入るのが特徴。
ヒナバッタは敏感で敏捷、飛距離はあまりないものの頻繁に飛翔するので捕まえにくいバッタ。
翅と後脚を擦り合わせてジキッジキジキジキッと鳴く。
他の紛らわしいバッタとも前胸背の「く」の字状の模様で見分けることができる。
(ライター ナオ)