ブチヒゲカメムシというカメムシを見たことがありますか?
何となく名前から想像がつくようなつかないような・・・まるで犬の名前にでもつきそうな「ブチヒゲ」の名前を持ったカメムシ。
今回はそんなブチヒゲカメムシについて詳しくお話しします。
ブチヒゲカメムシの特徴
ブチヒゲカメムシはカメムシ目カメムシ科に分類され、北朝鮮、中国を含むヨーロッパから日本までの旧北区、日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、公園や山麓の農村近辺に生息しています。
体長は10~14㎜で体色は黄褐色~赤褐色で背面中央部、小楯板の先端部分に白紋を持ち、体側には縞模様があります。
触角が白と黒のぶち模様なので名前はそこからついたと言われています。
5齢虫までは成虫のような体色はなく、同じ種類とは思わない茶褐色一色の体色をしています。
幼虫の食草はマメ科、キク科、大根、ゴマ、ニンジン、ゴボウ、イネなどで吸汁すると変色した成長不良の実がなり、ダイズ、イネ、ゴマ、トマト、ニンジン、ネギ、ゴボウの被害が知ら、特にダイズのマメを吸汁する際に感染させた菌によってダイズ子実汚斑病を引き起こします。
北海道中央部では5~6月と10月の年に2回程見られますが、頭部では一部が年に2回、一部は年1回発生します。
東北地方では年に2回、西日本では年3回で秋、冬の休眠は基本的に日照時間に左右されますが気温も影響しています。
ブチヒゲカメムシは夏にアカヒョウタンハリバエに寄生され、この幼虫はカメムシ成虫の体内で発育した後瀕死の宿主を出て蛹になります。
ツマジロカメムシとブチヒゲカメムシの見分け方
ツマジロカメムシは北海道、本州、四国、九州に分布し、都市近郊の雑木林などに生息しています。
体長は10㎜前後で背中の真ん中と白班と腹部の両縁の点線が目立つカメムシで、体色は黒い紫色で光沢があります。
発生時期は4~10月でキイチゴ、クヌギ、キリ、フジ、ミズナラ、ノリウツギ、ニワトコなど多くの植物に寄生、初夏から夏にかけて産卵します。
幼虫は昆虫の卵などを食べる肉食性と言われています。
幼虫の時から光沢があり綺麗な体色をしていて、カメムシの幼虫では珍しいタイプです。
ブチヒゲカメムシとの見分け方はブチヒゲカメムシより体長が小さいことと、全体的に光沢があることで区別できます。
ブチヒゲヘリカメムシとブチヒゲカメムシの見分け方
ブチヒゲヘリカメムシは別名をブチヒメヘリカメムシともいい、いづれにしてもブチヒゲカメムシとは名前が似ていて紛らわしいカメムシ。
しかし、分類上はブチヒゲカメムシとは違いヒメヘリカメムシ科に分けられていてブチヒゲカメムシとは違う種類になり、体色や形態もそれほど似ていません。
朝鮮半島、中国、旧北区、日本では北海道から九州にかけて分布していて体長は7~8.5㎜、茶色のとても小さなカメムシです。
腹部後方に複数のクリーム色の紋模様があり、小楯板の角はやや細く不明瞭ですがクリーム色で縁どられています。
4~10月にかけて発生し、エサは幼虫、成虫とも植物の汁を吸います。
ブチヒゲカメムシのように触角や縁にブチがあるわけではなく、ブチヒゲヘリカメムシはブチヒメヘリカメムシの間違いではないかと考えられます。
ブチヒゲカメムシと比べると体型が細長く、触角のブチの有無などで簡単に見分けることができます。
ブチヒゲカメムシのまとめ
ブチヒゲカメムシはカメムシ目カメムシ科に分類され、北朝鮮、中国を含むヨーロッパから日本までの旧北区、日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、公園や山麓の農村近辺に生息している。
ツマジロカメムシとは体長が大きいこと、体に光沢がないことで見分けることができる。
ブチヒゲヘリカメムシとは体型が細長く、触角のブチの有無などで簡単に見分けることができる。
(ライター ナオ)