カメムシも甲虫なんだということを思い出させてくれるミヤコキンカメムシ。
思わず手に取りたくなりますが・・・・油断大敵。臭さはやっぱりカメムシです。
今回はそんなキラキラ光るミヤコキンカメムシについて詳しくお話ししていきます。
ミヤコキンカメムシの特徴
ミヤコキンカメムシはカメムシ目キンカメムシ科に分類される綺麗なカメムシで、沖縄本島や先島諸島などに分布し、成虫はカキバカンコノキに寄生し、汁を吸って生きています。
幼虫もまた果実や種子に口吻を突き刺して種子の内部の胚芽や子葉に蓄えられている栄養分を液状化して吸っています。
キンカメムシ科に分類されるカメムシはやや大型。熱帯系で非常に派手な体色の種を多く含んでいます。
体長は1㎝前後の中型種で、複雑な模様は無く、体色はメタリックな緑色をしていると言われていますが、実際には斑紋のあるタイプもいて、地域によって差があるのではないかとも言われています。
三角形の尖った頭、横に張った前胸、後ろにすぼまる胴体、細い単純な形と触角と脚をもち、胴体には厚みがあってやや背中が丸く盛り上がっています。
背盾板と言われる部分が背面全体を覆うように広がり、翅はその下に隠されているので、一見翅が無いように見えます。
成虫は11月頃に見られます。
ミヤコキンキカメムシをはじめ綺麗な光沢をもつカメムシは死ぬとそれなりの色は残るものの、その光沢は生きている時の比ではないものになります。
また臭いは一般のカメムシ同様でやはり臭い匂いを放ちます。
体色の綺麗なカメムシと見分け方
アカスジキンカメムシ
アカスジキンカメムシは台湾、中国、日本では本州から九州、緑色の金属光沢の地に赤い甲羅模様に似た斑紋が出ます。
特に羽化後間もない個体は鮮やかな緑色を呈します。小楯板は大型で腹の背面全体を覆い、歩く宝石の異名もあるほど。
やや山地に生息していて様々な樹木につきますが、繁殖に際してはスギやヒノキの種子が必要になります。
ミヤコキンカメムシとの見分け方は体表の赤い斑紋の有無。
ニシキキンカメムシ
ニシキキンカメムシは朝鮮半島と日本の本州から九州の限られた地域に生息しています。
アカスジキンカメムシに似ていて、更に派手な模様で、日本で最も美しいカメムシと言われています。
ツゲの果実を摂食し、コノツゲが石灰岩の地層で育ちやすい特徴がある為、石灰岩の局所的な分布に伴ってニシキキンカメムシの分布も局所的になっています。
成虫の模様はオレンジ色と緑色が複雑な模様を作り、妖艶な光沢を放ちますが、幼虫の時は緑とオレンジ色がはっきりと分かれていて成虫程複雑な模様は出ません。
ミヤコキンカメムシとの見分け方は体色の違い。ニシキキンカメムシは他の光沢のある綺麗なカメムシとは一線を画しています。
ナナホシキンカメムシ
ナナホシキンカメムシは東南アジア一帯に分布しているカメムシで、日本では沖縄以南に分布しています。
体長は17~20㎜で腹の下側は金属光沢を持った緑色で、名前の通り腹部全体を多く小楯板には6、7個の濃紺色の紋があります。
脚はオレンジ色と金青緑色のツートンカラー。実際の斑点は尾部の7つ目が無いものが多く、6つ星だそう。
エサはオオハギ、カキバカンコノキ、ウラジロアカメガシワ、タイワンツルグミなどの実の汁。
ミヤコキンカメムシとの見分け方は小楯板の6~7個の濃紺色の斑紋の有無です。
ミヤコキンカメムシのまとめ
ミヤコキンカメムシは沖縄本島や先島諸島などに分布し、成虫はカキバカンコノキに寄生している。
体長は1㎝前後の中型種で、複雑な模様は無く、体色はメタリックな緑色をしているが中には斑紋の入る個体もいる。
他のメタリックなカメムシとの見分け方は小楯板の模様。
いかがでしたでしょうか。知られざるカメムシの世界。
南国に旅行に行く機会があったら、ぜひキラキラ光るカメムシたちに会ってきてください。
(ライター ナオ)