モノサシトンボの特徴と生態

モノサシトンボはトンボ目モノサシトンボ科モノサシトンボ属に分類されるトンボンの1種で、中国、朝鮮半島、日本に分布し、日本では北海道、本州、四国、九州に広く分布していますが小笠原諸島と南西諸島での生息は確認されていません。

成虫は中型でイトトンボ亜目の中では大きく、秋に出現する個体は小さいのが特徴です。

腹部にモノサシのような等間隔の環状紋があり、和名の由来にもなっています。後頭部に青白い斑紋があり、複眼は左右に離れていて複眼の内側に波上の斑紋があります。

 

前翅と後翅は同じ大きさで翅に黄色と黒の斑紋があり若い個体の斑紋は赤色をしています。

オスは全長39~50㎜、腹長31~40㎜、後翅長18~26㎜で成熟すると斑紋が水色になります。中脚と後脚の頸節は白くやや広がります。腹部第9節、10節が青白いのも特徴です。

 

メスは全長38~51㎜、腹長31~41㎜、後翅長19~26㎜で黄緑色と水色の個体がいます。腹部にモノサシのような等間隔の環状紋が入ります。

平地から丘陵地にかけて分布し、河川の中流域の樹林に囲まれた池、沼や湿地でよく見られ、岸辺が暗い環境を好みます。

 

成熟したオスはなわばりを持ち、水辺の植物に翅を閉じて静止し、時毒周囲を飛翔してメスを探し、他のオスが近づくと追い払います。

メスを見つけたオスは連結し植物に止まって交尾を行います。交尾は午前中に行われることが多く、交尾後連結態のまま水面付近の植物に産卵したりメス単独で産卵したりします。

ヤゴは捕獲されると脚を縮め、U字型に体を曲げて死んだふりをします。

生物科学的酸素要求量の高い汚れた止水の水質環境にも生息します。

卵期間は1~2週間程度でヤゴの期間は4ヵ月から1年程度。幼虫で越冬し、成虫の主な出現期間は5月末から9月、4月や10~11月に見られることもあります。

グンバイトンボとモノサシトンボの見分け方

グンバイトンボは中足と後足に白い葉のようなものが軍配状に広がっているのが特徴のトンボです。

関東から西の本州、四国、九州に分布しますが生息場所は極めて局地的。

 

特徴のある足をしているのでモノサシトンボと見間違うことはありませんが、後頭部に青白い斑紋があることと、複眼が左右に離れていること、複眼の内側に波状の斑紋がある点が似ています。

パット見で煮ている時はよく足を見れば簡単に見分けることができます。

オオオモノサシトンボ

オオモノサシトンボ本州、四国、九州の関東平野南部と信濃川流域に分布し、平地から丘陵地の浮葉植物が豊富な池沼で、底質は泥、水質はやや濁った陸水、周囲には樹林が発達していて比較的明るい環境を好みます。

 

昼行性で静止時は翅を閉じ、平らに止まります。

オオモノサシトンボとモノサシトンボは非常によく似ていて、明瞭な差はないとされています。新潟県ではモノサシトンボとオオモノサシトンボで種間雑種が確認されているほどです。

しかし、体長は圧倒的にオオモノサシトンボの方が大きく、色調も黒っぽくなります。

モノサシトンボのまとめ

モノサシトンボは腹部にモノサシのような等間隔の環状紋があることが名前の由来になっている。

眼は左右に離れていて複眼の内側に波上の斑紋があり、この特徴はグンバイトンボに似ているが、グンバイトンボは足に白い軍配状の翅のようなものがつくので見分けることができる。

 

モノサシトンボとオオモノサシトンボは似ているが、オオモノサシトンボの方が名前の通りかなり大きく、色調も黒っぽいのが特徴。

オオモノサシトンボとモノサシトンボは種間雑種も確認されている。

(ライター ナオ)