皆さんはミルヤンマという生き物を知っていますか?
和名では『ミルンヤンマ』と言われているのですが、名前の由来は明治時代のお雇い外国人で、日本で地質学と鉱物学を教えていた英国人のジョン・ミルン氏に献呈された事からミルンの名を取ってミルンヤンマと付けられたそうです☆
ちなみにこのジョン・ミルン氏は、地震大国である日本において日本地震学会を創立した人なんだとか!
話を戻しまして…このミルヤンマは一般的によく見かけるヤンマなので、見た事があるという方は多いかも知れませんね!
さて、そんなミルヤンマの生態とはどういったものなのでしょうか?
今回はミルヤンマについてまとめていきたいと思います。
ミルヤンマってどんな生き物なの?~生態・特徴・発せ時期~
ミルヤンマは、ヤンマ科のトンボの一種です。
日本特産種であり、生息地は北海道南部・本州・四国・九州・種子島・屋久島・トカラ列島中之島まで広く分布しています。
本州周辺の離島などにも生息しており、南西諸島には近縁種であるものも分布しています。
生息環境は、山間部の森林に囲まれた陰湿な流れがある場所で生活しており、主に早朝や夕方に活発に活動し始めます。
ミルヤンマのヤゴは、活動性が低くあまり動き回らず、草や木片や岩にしがみついて餌が来るのを待ち伏せしています。
平均体長は約40mm~43mm、頭幅は8.5mm程の大きさです。
体の特徴としましては、やや大型のヤンマ体型で、腹部背面正中に薄い斑点があり、肢はストライプ模様になっているのが特徴です。
体の色は、成虫は黒色~茶褐色で、若齢のうちはクリーム色と茶褐色のツートンカラーで、成長に伴って同様の色に変化していきます。
複眼は青緑色で、翅は透明、腹部第3節のくびれが目立っているのも特徴です。
ミルヤンマは縄張り意識も強く、雄は飛翔占有型で渓流に沿って広範囲をパトロールします。
産卵の時期になると、産卵の基質となる枯れ木などがあると、ホバリングしながら周辺を見て回ります。
交尾は静止型で、生息地である川などの周辺にある木の枝などに止まって行います。
産卵時期になると、雌が単独で渓流や岸上にある朽木や倒木に止まって産みつけて行きます。
発生時期は8月~11月頃までです。
この時期に川などに行くとミルヤンマの姿が見られるかもしれません!
ミルヤンマに似た種もいるので見分けが難しいのですが、それについては次の項目で見分け方を紹介しましょう☆
ミルヤンマの見分け方~ミルヤンマの雑学~
ミルヤンマと同じように川を生息地としている『コシボソヤンマ』という種がいるのですが、このコシボソヤンマとミルヤンマは見た目も生息地もそっくりなので、よく見間違えられます。
そんな時にこの二種類を見分けるポイントとしましては、ミルヤンマには後頭角の角状突起は無いのが特徴です。
ヤゴに関しては、ミルヤンマのヤゴもコシボソヤンマのヤゴも捕獲すると擬死状態、つまりまったく動かない状態となるのですが、ミルヤンマのヤゴはしばらくすると動き出すのが特徴です。
見慣れるまでは、見分けるのに少し苦労するかもしれませんが…慣れれば簡単に見分ける事が出来ると思います☆
ミルヤンマを観察すればするほど、特徴を掴む事ができるので、写真などを参考にじっくり観察してみて下さいね♪
ミルヤンマについてのまとめ
今回はミルヤンマについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
実物を見ながら詳しく観察したい方は、実際にヤゴを捕まえて成虫になるまで飼育するのも良いかもしれませんね!
成虫になってしまうと飼育は難しいですが…成虫になるまでの過程を観察できるので良いのではないでしょうか☆
ライターMISAKI