皆さんはコシボソヤンマという生き物を知っていますか?
名前の由来は、他のヤンマと比べて腹部第3節が異常に細い所からこの名が付けられたようです。
見て分かるかと思いますが、確かに異常に腰部分が細いですよね!
食べた物がちゃんと体に入っているのか?と疑うくらいの細さです。
このヤンマは各地に広く分布している訳では無いので、見た事が無い方も多いかもしれませんね。
さて、コシボソヤンマの生態はどういったものなのでしょうか?
今回はコシボソヤンマについて詳しくまとめていきたいと思います☆
コシボソヤンマってどんな生き物なの?~生態・特徴・発生時期~
コシボソヤンマは、ヤンマ科コシボソヤンマ属に属するヤンマです。
現在このヤンマは絶滅危惧Ⅱ類、つまり環境省のレッドデータブックで絶滅の危険が増大している種と言われているのです!
実際に生息地も限られてきており、生息地が北海道の一部地域・本州・四国・九州・南西諸島北部の一部離島などにしか分布していません。
その他の地域でも発見記録がありますが、個体数はかなり少ないです。
生息環境は、平地~丘陵地の河川中流域~上流域が主な生息地です。
山間部の森林に囲まれた流れがゆったりした川の付近などでよく発見されます。
日中は林の中でじっと大人しくしている事が多いですが、薄く暗くなってくると川の上を行ったり来たりして活発に活動し始めます。
コシボソヤンマのヤゴ、川岸に揺れる植物にしがみついたり、川底の植物性沈積物や石に捕まった状態で、餌が来るのを待ち伏せしています。
平均体長は雄が全長77mm~89mm、腹長52mm~63mm、後翅長48mm~55mm。
雌が全長80mm~92mm、腹長55mm~66mm、後翅長50mm~60mmです。
基本的に雌の方が体格がしっかりしていますね☆
体の特徴としましては、大型のヤンマで腹部第3節が細く、黒色~茶褐色の地に黄色の斑紋を持っているのが特徴です。
コシボソヤンマのヤゴは、後頭角に角状の突起を持っていて、腹部の側棘も目立ち、全体的にトゲトゲした外観をしています。
縄張り意識が強く、雄は飛翔占有型で川岸に沿ってパトロールをします。
繁殖期に入ると、産卵の基質となる倒木などがあるとジロジロと周囲を見回します。
交尾は静止型で、水域周辺の木の枝などに止まって行います。
産卵は雌が単独で行い、水域周辺の朽木などに産卵していきます。
発生時期は7月~9月頃までです。
コシボソヤンマとミルヤンマの違い~コシボソヤンマの雑学~
コシボソヤンマとミルヤンマは成虫の頃もそっくりなのですが、ヤゴの時もそっくりで中々見分けるのが難しいとされています。
まず成虫に限っては、やはりコシボソヤンマの最大の特徴である腰の細さを見るのが一番早いですね♪
ヤゴの見分け方のポイントですが、ミルヤンマやギンヤンマのヤゴとは違い、体の色は黒っぽく、活動性が低いので動き回りません。
後頭角に角状の突起を持っているのも最大の特徴と言えるでしょう♪
そして、捕獲すると他のヤゴと同様に擬死状態に陥りますが、他のヤゴはしばらくすると動き出すのが特徴なんですが、コシボソヤンマのヤゴは長時間全く動かないのが特徴です。
さらに、成長速度もかなり早く、ヤゴの期間は1年半~2年程度と言われています。
1年目は卵で、2年目以降からは幼虫の姿になって冬を越します。
慣れるまでは見分けるのが難しいですが、他の種の特徴などもしっかり掴み、よく観察していくうちに見分ける事が出来るようになりますよ!
コシボソヤンマについてのまとめ
今回はコシボソヤンマについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
じっくり観察したい方は、是非飼育にチャレンジしてみてくださいね!
ライターMISAKI