「コクロアナバチ」って知っていますか?
クロアナバチよりも一回り小さなサイズの蜂になります。
アナバチ類は穴に巣を作るので゛穴蜂゛と名前が付いていますが、コクロアナバチはどこに巣を作るのでしょうね。
コクロアナバチの特徴と見分け方について、コクロアナバチの生態ともに詳しく紹介していきたいと思います。
コクロアナバチとは?
「コクロアナバチ(小黒穴蜂)学名:Isodontia nigella」とは、
ミツバチ上科アナバチ科アナバチ亜科ツツアナバチ属の蜂になります。
日本の北海道や本州、九州、南西諸島などに生息しています。
毎年初夏~秋にかけて見ることができます。
コクロアナバチの形態
コクロアナバチの大きさは、体長18~22ミリぐらいです。
全身が黒色をしています。
顔面の毛は銀色毛で覆われています。
翅は長めで、透明で薄い茶色かかったような、薄いコーヒーのような色をしています。
お尻が長くて膨らんでいるので、蟻のような体形にも見えます。
顔には、大きな目と長い触角があります。
コクロアナバチの生態
アナバチ類は穴に巣を作る蜂です。
このコクロアナバチも穴に巣を作るのですが、その穴は木の穴や竹筒になります。
コクロアナバチは既存の穴を利用して、巣を作ります。
コクロアナバチの木の穴や竹筒の巣は、枯草の葉っぱや茎で蓋をしてあります。
枯草に泥やコケを混ぜたものもあり、巣の部屋の仕切りや、蓋にしているんですよ。
竹筒に頭を突っ込んで、枯草を一生懸命詰めるコクロアナバチの様子は可愛さがあります♪
ベランダや庭に竹筒を置きっぱなしにしていると、コクロアナバチが巣を作っていることがよくあるそうですよ。
コクロアナバチの幼虫は、ササキリやツユムシ、ウマオイなどキリギリス科の昆虫の幼虫が餌です。
幼虫の餌としてコクロアナバチは、ササキリやツユムシなどを狩ります。
実はコクロアナバチは、キリギリス類専門のハンターといわれているほどです。
コクロアナバチは、ササキリやツユムシなどの幼虫を麻痺させて動けなくさせます。
お尻の針で麻酔を注射します。
幼虫は生きたまま巣に持ち帰って、コクロアナバチの幼虫の餌にします。
コクロアナバチの特徴と見分け方
コクロアナバチはクロアナバチにとてもよく似ています。
体の色も作りも同じです。
ですが、細かい違いがあります。
体の大きさは、クロアナバチが大きくて、コクロアナバチは小さいです。
コクロアナバチは顔面の毛が「銀黄色」です。
クロアナバチは顔面の毛が「灰白色」です。
コクロアナバチは「木の穴や竹筒」に巣を作ります。
クロアナバチは「地面に穴を掘って」巣を作ります。
コクロアナバチの毒
コクロアナバチはお尻に針を持っています。
これが毒針です。
コクロアナバチの毒性は弱く、基本的に攻撃性はないといわれています。
ですが、むやみに巣に近づくと、コクロアナバチはブンブン音を立てて威嚇したりします。
また、コクロアナバチを直接掴んだりしたら刺されることもあります。
どんな蜂でも毒を持っているので、もしコクロアナバチに刺されたら、アナフィラキシーショックを起こす場合があります。
攻撃性のないコクロアナバチですが、観察するときは十分に注意してくださいね。
コクロアナバチの特徴と見分け方についてのまとめ
コクロアナバチの特徴と見分け方について、コクロアナバチの生態共に詳しく調べてきましたが、いかがでしょうか。
コクロアナバチは木の穴や竹筒に巣を作るのが特徴です。
コクロアナバチに似ているクロアナバチは、地面に穴を掘って巣にします。
コクロアナバチとクロアナバチは、体の色も一緒なので見分けがつきにくいですが、体のサイズが小さくて、顔面の毛が銀黄色で、木の穴や竹筒に巣を作るのがコクロアナバチになります。
(ライター 雲呑)