「ナガメ」って知っていますか?
ナガメは実は・・・カメムシなんですよ。
農作物の汁を吸うので、害虫とされています。
ナガメの特徴と見分け方について、ナガメの生態と共に、詳しく調べていきたいと思います。
ナガメとは?
「ナガメ(菜亀、菜亀虫、菜椿象)」とは、カメムシ目カメムシ科のカメムシです。
ナガメはアブラナ科の植物に集まるので、ナガメの和名の由来は「菜の花につくカメムシ」という意味です。
中国、日本では北海道、本州、四国、九州に分布していて、海外では中国に生息しています。
ナガメの形態
ナガメの大きさは、体長6.5~9.5ミリぐらいです。
長楕円形の体の形をしていて背中は前後が狭くなっています。
体の色はオレンジ色をベースに、光沢のある黒色の模様があります。
オレンジ色で縁取られている黒色の模様ともいえます。
亀の甲羅のような模様ともいえます。
頭の前縁、前胸背の周り、小楯板のY字、正中線などがオレンジ色になっています。
触角も肢も黒色で、脛節の中央部は黄白色です。
ナガメはあの有名な、カメムシ特有のくさい臭いを放ちます。
このにおいの成分は、トランス-2-ヘキセナールです。
ナガメのくさい臭いは、仲間に対して警告と集合のサインです。
まず、ナガメの幼虫の天敵である蟻を忌避させる効果があります。
また、自身に危険が迫ると臭いを放ちます。
このにおいを感知した他のナガメは、その場から逃げます。
さらにナガメの幼虫は、このにおいを感知すると集まってきます。
ナガメの生態
ナガメは平地から山地にかけての草地などに生息しています。
ナガメは4~10月に見られます。
年に2回発生し、成虫で越冬します。
動きが遅く、亀のようにゆっくり動きます。
ナガメは人間の気配を感じると葉っぱの裏に隠れますが、なんせ動きが亀のように遅いので、簡単に捕まえることができます。
ナガメはお尻とお尻をくっつけて交尾します。
アブラナ科の植物の茎に、2列に卵を産卵します。
ナガメは卵→幼虫→成虫の不完全変態で成長します。
ナガメの幼虫も成虫もアブラナ科の農作物の葉っぱの汁を吸います。
タネツケバナ、タガラシ、ナズナなどの野草や、大根、キャベツ、カブ、白菜、小松菜、野沢菜などの野菜です。
特に発生が多いのは大根です。
ナガメの特徴と見分け方
ナガメの特徴はアブラナ科の植物に付くことです。
また、オレンジ色と黒色の体の模様も特徴になります。
ナガメによく似たヒメナガメもオレンジ色と黒色の体の模様をしていますが、黒い模様は6個あります。
ナガメよりも黒色模様が細かいです。
ナガメは大きめの黒色模様なので、体の模様で見分けましょう。
ちなみに、ナガメとヒメナガメの幼虫は、見分けがつかないぐらい似ています。
ナガメの駆除方法
ナガメは、アブラナ科の植物の葉の汁を吸います。
そのため農作物に白い痕が残って見た目を悪くしたり、しおれて枯れたりと、成長を妨げたりします。
農家さんにとっては厄介な害虫です。
ナガメにはスミチオンなどの殺虫剤の散布をするのが、基本的な駆除方法になります。
他に、ナガメを見つけ次第捕獲して駆除したり、農作物に防虫ネットをかぶせたりする方法があります。
ナガメの特徴と見分け方についてのまとめ
ナガメの特徴と見分け方とナガメの生態について、詳しく紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ナガメは菜の花につくカメムシです。
アブラナ科の植物が大好きで、汁をたくさん吸うので、農作物に被害が及びます。
黒色とオレンジ色のおしゃれな体の色をしています。
ナガメとよく似ているヒメナガメとの見分け方は、体の黒色模様の数です。
(ライター 雲呑)