害虫としては最大級のゴキブリ、ワモンゴキブリ。
眼の前を飛んで行ったら、卒倒してしまう人も少なくないでしょう。このワモンゴキブリが近年勢力を拡大しているというのだから、たまったものではありません。
そんなワモンゴキブリについて、その特徴や生態、他のゴキブリとの見分け方などについて詳しくお話ししていきます。
ワモンゴキブリの特徴と生態
ワモンゴキブリは屋内性のゴキブリでは最も大型の種類とされているゴキブリで成虫の体長は40~48㎜程に達します。
身体は全体が淡褐色で胸部の周辺には黄褐色のリング状斑紋があり、それが名前の由来にもなっています。
アフリカ原産で世界の熱帯~亜熱帯に広く分布していますが、寒さに弱く20℃以下では活動することができません。
日本での分布は九州南部から南西諸島や沖縄ですが、近年は家庭暖房の発達によって全国的に屋内で見られるようになり、長年ゴキブリがいないとされていた北海道でも記録されています。
1世代交代するまでに1年の歳月がかかり、成虫の寿命は3年以上と言われ、活動的でよく飛び、攻撃的な性質です。
コワモンゴキブリとの見分け方
コワモンゴキブリは体長が30~35㎜程。ワモンゴキブリを一回り小さくした感じです。
体色は赤褐色で胸には黄色の紋があり、前翅にも黄色いラインが入ります。
日本では南西諸島や小笠原諸島、伊豆諸島で多く見られ、生息域はビル内の地下マンホール内や下水など、一年を通して温度と湿度の高い場所。
屋外にはあまり生息していませんが夜間に路上や民家の室内に出没することもあります。
ワモンゴキブリとの見分け方は体の大きさと前胸背板に現れる木褐色の紋がワモンゴキブリよりも鮮明であること、更に前翅に黄色のラインが入ることです。
クロゴキブリとワモンゴキブリの見分け方
クロゴキブリは一般家屋や屋外で最もよく見かけるゴキブリです。
原産は中国南部で、18世紀前半に南西諸島に上陸し以後散魔伝いに分布を北上させたとみられ、現在日本では関東地方から奄美大島まで、日本以外では台湾、中国に分布しています。
体長は30~40mほどで体色は光沢のある黒色ですが幼体の頃は茶色です。寒い冬でも野外で生活することができ、比較的寒さに強いゴキブリとも言えます。
動きが素早く部屋の灯に飛来したり、小さな隙間から部屋の中に侵入してきます。
雑食性で各種食品、木材、パルプ、皮革など、食害対象は広範囲に及び、これらの消化は腸内バクテリアによって実現されています。
ワモンゴキブリとは明らかに体色が違うことと、紋が無いことで区別がつきます。
チャバネゴキブリとワモンゴキブリの見分け方
チャバネゴキブリは世界共通の室内害虫でアフリカが原産と考えていいますが今や世界中に移入して分布をひろげているゴキブリです。
日本でも北海道から沖縄諸島まで各地で見られ、生息場所として木造家屋よりもコンクリート建造物を好武野が特徴です。
体長は10~15㎜と小さく、体色は薄茶色です。
雑食性で人間の食物を摂食して食中毒の原因となる微生物を媒介し、死骸や糞はアレルゲンにもなる厄介者です。
ワモンゴキブリとは体の大きさと体色、紋の有無などで容易に区別がつきます。
繁殖力が高く、ものすごいスピードで増えていきます。
ワモンゴキブリのまとめ
ワモンゴキブリはとにかく大きく存在感のあるゴキブリ。駆除するのにも結構の精神的労力が必要になります。
似ているコワモンゴキブリとの見分け方のポイントは上翅の黄紋です。
これからの季節、皆さんもゴキブリたちにご用心。まずは発生しないように家の中や周辺を清潔に保つように気を付けて下さいね。
(ライター ナオ)