多くの種類がいるコガネムシ。
ナガチャコガネはその中でもちょっと厄介な害虫として扱われています。
そんなナガチャコガネについて特徴や他のコガネムシとの見分け方など詳しくお話ししていきます。
ナガチャコガネの成体の特徴
ナガチャコガネは別名をキイロコガネやキコガネなどと呼ばれる甲虫目コガネムシ科コフキコガネ亜科ナガチャコガネ属に分類される昆虫です。
北海道から九州にかけて分布し、スギ、ヒノキ、ヒバ、アカマツ、クロマツなどの針葉樹及び様々な広葉樹に寄生しています。
体長は10~15㎜程でオスの触角は6~7節で片状部が発達しますが、雌の触角は5節と短く片状部もあまり発達しません。体色は赤茶色。
日中は地中に潜んでいて、黄昏時の夕方6~8時ころにラわれて地表近くを飛翔します。
ナガチャコガネの幼虫の特徴
幼虫の体長は25㎜程、当武津男胸部は黄褐色をしていて、胸腹部は白色です。
コガネムシ科の幼虫はC字型で全体一様に色が淡く、触角は「く」の字に近く大顎は強大です。胸脚は「く」の字状に曲がっています。
7~8月に産卵された卵は2~3週間で孵化し、幼虫は苗木の根を食害し、北海道では11月頃まで続くと言われています。
幼虫の状態で越冬し、翌春4月頃に再び地表近くに移動して根を食べ、6月上旬ころに蛹になります。
越冬時の幼虫は15~20㎝ほどまで地中深く潜ります。
害虫としてのナガチャコガネ
ナガチャコガネの幼虫は針葉樹の苗木やお茶の根などに著しい被害を及ぼします。特に幼虫が越冬する前の秋に食害量が多くなります。
小さな苗木程その被害程度は激しく、針葉樹の1年生苗は主根が髪切られる為ほとんど枯死してしまいます。
成虫になってからは草本やイネの葉などを食べますが、ほとんど摂食しない為害はありません。
ナガチャコガネの防除方法
ナガチャコガネは性フェロモン物質を利用して防除することが可能です。
性フェロモントラップはオス成虫の発生時期を簡単にとらえることができ、オスの比率を低下させるとメスの交尾率は大きく低下し結果として全体の生息数を大きく減らすことができると考えられています。
ナガチャコガネの見分け方
ナガチャコガネと似ているコガネムシは茶色系統で大きさも似ているコガネムシたち。
茶色のコガネムシといえばオオコフキコガネ、コフキコガネ、アカビロウドコガネ等。
オオコフキコガネとナガチャコガネの見分け方
オオコフキコガネはコフキコガネともよく似ていて、体長は25~32㎜、明るい赤褐色で梢鞘の微毛は脱落しやすく、はけた個体は暗赤褐色になります。個体数は少な目で5~9月に出現します。
日本では佐渡島、伊豆諸島、四国、九州、壱岐、五島列島、種子島、屋久島などに分布して全体的に粉を吹いたような見た目をしていて、その点がナガチャコガネと違っています。
コフキコガネとナガチャコガネの見分け方
コフキコガネは体長25~31㎜で本州、佐渡島、伊豆諸島に分布しています。
粉を吹いたような見た目で背面は黄灰色の短剛毛で覆われています。
微毛の色の違いでオオコフキコガネと区別がつきますし、ナガチャコガネとはやはり粉を吹いたような見た目で見分けることができます。
アカビロウドコガネ
アカビロウドコガネは体長8~10㎜程に小さな丸型のコガネムシ。
鞘翅に虹色の光沢のある筋が角度によって2~3本入るのが特徴で、ナガチャコガネよりも小さ目であることとで区別します。
ナガチャコガネのまとめ
ナガチャコガネは赤褐色の小さなコガネムシで針葉樹やお茶の害虫として厄介な存在。
コフキコガネとは体表の粉を吹いたような感じで見分けることができますが、小さく小型の他のコガネムシとは区別がつきずらいものもいる。
(ライター ナオ)